【2025年】五節句:重陽の節句/菊の節句

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〜季節のささやきに、耳をすませて〜
ブログ「季節のささやき」では、季節の節句や行事ごとに、暮らしを豊かにするアイデアや旬の食材のレシピなどをお届けします。
1.重陽の節句っていつ?どんな日?
毎年9月9日は五節句のひとつ“重陽の節句(ちょうようのせっく)”。
古代中国の、奇数を“陽”とする考え方に由来し、奇数の最大値“9”が重なる日なので“重陽”の節句とされたといわれています。
旧暦ではちょうど菊の花が見頃を迎える時期で、「菊の節句」とも呼ばれていました。また栗の収穫期にもあたることから、一部の地域では「栗の節句」と呼ばれることもあったようです。
もともとは、菊を愛で、秋の実りに触れつつ、長寿や無病息災を願う大切な日でした。しかし、明治時代に旧暦から新暦に移行してから後は、菊の開花や栗の収穫よりも早く節句の日が来るようになりました。そのため、季節感が少しずれ、次第に日常の中でなじみが薄くなっていき、現在に至ります。
*1五節句(節句)
五節句(節句)は、中国の「奇数は“陽”、偶数は“陰”」という思想に由来し、奇数が重なる日は“陽が極まって陰に転じやすい”と考えられていたことから、邪気を祓う行事として始まったとされる。
そのため、各節句の日には、無病息災や豊作、子孫繁栄などを願い、季節の植物や食べ物を神前に供えて厄払いを行う。
季節の“節”目ごとに神仏に“供”え物をして、無病息災や五穀豊穣を祈る行事を「節供(せっく)」と呼んでいたが、江戸時代頃から、表記が「節句」に変わり、現在ではこちらが一般的となっている。
2.重陽の節句を楽しむアイデア
昔は菊を持ち寄って美しさを競う「菊合わせ」が行われていました。
現在では重陽の節句の日に菊合わせが行われることはほとんどありませんが、菊を眺めるなどして、古くから大切にされて来た節句にちなんだ過ごし方を意識してみるのはいかがでしょうか。
そのほか、重陽の節句のを暮らしの中で楽しむアイデアはクラシライター平本麻美さんの読みもの「重陽の節句」で美しいお写真とともに紹介されています。
ぜひご覧ください。
3.重陽の節句の行事食(レシピ付き)
行事食としては菊をお酒に浮かべる「菊酒」や、おひたしやお吸い物、天ぷらなどにしていただく習慣がありました。また一部の地域では栗ごはんを食べる風習もみられます。
さらに「この時期になすを食べると中風(脳卒中などの後遺症)にならない」という言い伝えもあったそうです。
季節の節目に、秋の実りを味わいながら健康を願うのはいかがでしょうか。

▼ 旬の食材と、それにまつわる読みもの
・栗 / 9〜11月
(渋皮煮)
・なす / 5〜10月
(蒲焼き、ラバネ風、鶏肉となすのさっぱり炒め)
・鮭 / 9〜11月
(竜田揚げ)
・秋刀魚 / 9〜11月
(炊き込みご飯)
・落花生 / 9〜11月
(塩茹で)
・シャインマスカット / 8〜10月
(フルーツサンド)
・さつまいも / 収穫時期:8~11月、食べ頃:10~1月
(秋の吹き寄せおこわ)
・とうがらし / 7〜11月
(とうがらしを楽しむレシピ5つ)
・いちじく / 6〜11月
(無花果ときのこのバルサミコソテー、いちじくと桃のテリーヌ)
・茗荷 / 夏茗荷:6~8月、秋茗荷:8~10月
(味噌漬け)
・蔓菜 / 5〜10月
(蔓菜と豚肉の黒酢焼きうどん)
・桃 / 6〜9月
(桃の水出し緑茶といちじくのテリーヌ)
・金糸瓜 / 7〜9月
(下処理)
・ゴーヤ / 6〜9月
(佃煮、乾燥ゴーヤ&酢漬け)
・オクラ / 6〜9月
(オクラのかき揚げ)
・とうもろこし / 6〜9月
(キーマカレー、茶碗蒸し・ごはん、とうもろこしごはん)
・生姜 / ハウス栽培:6〜8月、露地栽培:9〜10月
(甘酢漬け、自家製ドレッシング、ハニージンジャーシロップ)
いかがでしたか。
古くから受け継がれてきた行事をあらためて知り、今年はすこし特別な重陽の節句を過ごせますよう。
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