行事「お彼岸とお盆」| お彼岸やお盆ってどんな日?お彼岸やお盆を過ごす暮らしのアイデア、行事食(レシピ付き)

2024.09.17


ブログ「季節のささやき」
では、二十四節気や五節句、雑節や行事などの時節についての知識、クラシコサエルとしての暮らしを豊かにするアイデアや旬の食材のレシピなどをお伝えします。

今回は行事“お彼岸とお盆”について、
「1.お彼岸とお盆ってどんな日?」
「2.お彼岸やお盆の時期の暮らしのアイデア」
「3.お彼岸やお盆の行事食」
などをまとめました。

1.お彼岸とお盆ってどんな日?

“お彼岸(おひがん)”と“お盆(おぼん)”は、どちらもご先祖様を供養する目的がありますが、時期や供養の仕方などが異なります

仏教行事に由来するところも多いですが、先祖供養自体は古来からある文化的風習です。
そこに後から伝来した仏教の教えが融合して生まれたものであるため、ふだんは仏教を深く信仰していない人でも先祖供養の一環として参加することが多い行事となっています。



【お彼岸】春分の日と秋分の日を中日とした7日間

・時期:あの世=彼岸(ひがん)とこの世=此岸(しがん)が最も近くなる春分の日と秋分の日を中日とした7日間。
 それぞれ春のお彼岸/春彼岸、秋のお彼岸/秋彼岸などと呼ぶ。
(春のお彼岸:次回は2025年3月17日〜 3月20日
 秋のお彼岸:もうすぐ9月19日〜9月25日)
・供養の仕方:ご先祖様に会いにお墓まで行って供養する。
・語源・由来:古代インドのサンスクリット語“paramita(パーラミタ)”=“波羅蜜多(はらみた)”に由来。漢訳は“至彼岸(とうひがん)”で、“彼岸に至る”という意味。



【お盆】 8月13日~8月16日


∟ by.クラシライター:平本麻美「お盆の過ごし方」

・時期:8月13日~16日の4日間(8月盆)で行う地域と、7月13日~16日の4日間(7月盆)で行う地域に分かれる。
・供養の仕方:ご先祖様の方が自宅まで会いに来られたのを供養する。
・語源・由来:古代インドのサンスクリット語“ullambana(ウランバーナ)”=“盂蘭盆(うらぼん)”が語源。目連という人が亡くなって餓鬼道に堕ちた母を救う方法を師である釈迦に尋ねたところ「僧侶たちを招いて、七世の父母と現在の父母のため、供物を盆に盛って供養しなさい」との教えに従って母を助けたことに由来する。

2.お彼岸やお盆の時期の暮らしのアイデア 

✔︎ お彼岸やお盆の過ごし方


∟ by.なこ:秋のお彼岸に、秋の草花を

お彼岸は弔事ではありません
過ごし方には、お墓参り、仏壇の掃除、行事食や季節の花・果物のお供え、お寺での彼岸法要などがありますが、決まりごとはお盆ほど多くはないようです。
メインとなるお墓参りも、お彼岸の期間中であればいつ行っても良いそうですが、お彼岸の中日で祝日でもある春分の日や秋分の日を選ばれることが多いようです。
連休となる方も多いため、この期間にゆっくりと季節の移ろいを楽しみながら、故人を偲ぶ時を過ごすのはいかがでしょうか。

∟ by.クラシライター:平本麻美「お盆の過ごし方」

一方、お盆には弔事の意味があります
特に、故人が亡くなってから四十九日の忌明けを過ぎて初めて迎えるお盆を「初盆/新盆」と言い、こちらは葬儀から連なる供養行事としての性質が強いため、法要や会食を行うなどして通常のお盆よりも盛大に行われます。
通常のお盆の過ごし方については、こちらの読みものでクラシライターの平本麻美さんが美しいお写真とともにくわしくまとめてくださっています。

平本家は送り盆に線香花火をするとのこと。
花火には慰霊や疫病退散の効果があり、一説によると全国の夏の花火大会にはお盆の迎え火、送り火の意味合いがあるものも多いようです。
家族で集まって、故人を偲びながら花火大会や手持ち花火を楽しんでみてはいかがでしょうか。

∟ by.クラシライター:平本麻美「お盆の過ごし方」

また、提灯と同じくご先祖様をお迎えする際の灯り/目印としての役割を持つ、お盆のお供え物のひとつである鬼灯(ほおずき)。

∟ by.クラシライター:平本麻美「透かしほおずきの作り方」

お供えののちに透かし鬼灯として楽しむこともできる、おもしろい植物です。
こちらも平本さんの読みもので詳しく手順が書いてあります。
真似してみてくださいね。
 



✔︎ お墓参りにあらためて行くのはお彼岸?お盆?


∟ by.クラシライター:平本麻美「お盆の過ごし方」

お彼岸はそもそもご先祖様にお墓まで会いに行くお墓参りの行事です。

一方、お盆はご先祖様が家まで会いに来る自宅での供養行事なので、お盆にはお墓参りに行かない…のかと思いきや、行く地域の方が多いですね。
これは、お盆のお墓参りにはご先祖様を自宅まで案内するという目的があるため。
そのため、お盆の前にお墓参りに行ったり、お盆の初日に盆提灯を持ってお墓参りに行く(迎え盆)地域が多いそう。
お盆の中日にお参りに行くことは留守参りと言い、お盆の最終日にお参りに行く(送り盆)地域もあります。
また、普段はお盆のお墓参りに行かない地域も、初盆では初めての道を自宅までご案内する意味からお墓参りに行くことも多いそうです。

3.お彼岸やお盆の行事食


∟ by.クラシライター:川上琴美「春を待ちわびる牡丹餅。」

お彼岸・お盆ともに共通してお供えされる行事食は“お団子”やあんこでお餅を包んだ和菓子である“ぼたもち/おはぎ”、“そうめん”、また“精進料理/精進揚げ”などです。

自宅へご先祖様をお迎えするお盆のお仏壇へのお供えの食べ物は、8月13日:お迎え団子、8月14日:おはぎ、8月15日:そうめん、 8月16日:送り団子という順でお供えする地域が多いようです。

お彼岸はお墓へご先祖様に会いに行くことが主要ではありますが、お墓だけでなくお仏壇にもお供えは行い、食べ物としては彼岸入り:入り団子、彼岸明け:明け団子をお供えする地域が多いようです。



【お団子】


∟ by.クラシライター:平本麻美「行事食:お月見団子」

お盆に供えるお団子には、ご先祖様への感謝や敬意が込められています。

お彼岸では
・入り団子:彼岸入りの初日
・明け団子:彼岸明けの最終日
をお供えすることが多いようです。

お盆では
・お迎え団子:8月13日
 あんこ・みたらし・きなこなどで甘い味付けをしたお団子
 (道中の疲れを癒せるように)
・送り団子:8月16日
 白いお団子
 (持ち帰った時に好きなように食べてもらえるように)
をお供えすることが多いようです。

お供えする個数は宗派や地域、各家庭によって異なりますが、一般的に6個。
仏教において人が死後「地獄・飢餓・畜生・修羅・人間・天上」の6つの世界に生まれ変わると考えられていることに由来しているそう。
5個の団子を円状に並べ、真ん中に残り1個を乗せて2段にします。

≫ 固くなりにくいお団子やみたらしあんの作り方はこちら



【ぼたもち/おはぎ】


∟ by.クラシライター:平本麻美「お盆の過ごし方」

仏事のお供えとして定番であるぼたもちとおはぎは、どちらもあんこ(小豆)でお餅(もち米)を包んだ和菓子です。
小豆の赤色は邪気をはらう色とされており、魔除けの効果があります。
牡丹(ぼたん)が咲く春のお彼岸の時期には”ぼたもち”、秋の七草である萩(はぎ)が咲く秋のお彼岸の時期には“おはぎ”と、季節によって呼び方が変わります。
また小豆の収穫期である秋の“おはぎ”は柔らかい小豆のつぶあん、冬を越して小豆が硬くなった春の“ぼたもち”はこしあんで作られることが多いそうです。

≫ 作り方はこちら


 

【精進料理/精進揚げ】

“精進料理”とは、仏教の教えに基づいて肉や魚を使わずに、野菜や山菜、果物、海藻、穀類や大豆加工品などを用いて調理された料理のこと。
“精進揚げ”は仏教行事で葬儀や法要の後に開かれる会食、または肉や魚を使わずに主に野菜を使った揚げ物のことを指します。

 


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