連載:折々の一皿
クラシライター:早織さんより、旬を取り入れた、和の要素を感じられる自宅でのお料理やおもてなしについてお届けします。
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「水無月の夏越の祓する人は千歳の命延ぶと云ふなり」
6月30日は夏越の祓。
日々溜まった穢れを祓い落とし、無病息災を祈る神事です。
茅の輪潜りで穢れを祓い厄を除け、人形流しで人形に罪や穢れを託し身代わりとします。
そして欠かせないのが今回の一皿、水無月です。
暑さを凌ぐ工夫がされた水無月。
冷房や冷蔵庫の無い時代に氷のように見える外郎で涼を感じていたようです。その上に、邪気祓いの意味を込めた小豆の甘納豆を乗せ、暑気も邪気も祓っていたのですね。
まずは甘納豆を作ります。
小豆から甘納豆を作りますが、時間がかかるのですぐに食べたいという方は甘納豆は購入してください。
*材料*
大納言小豆:100g 砂糖:120g 塩:少々
*作り方*
1. たっぷりの水を中火にかけ、沸騰したら洗った小豆を入れる。再度沸騰したらそのまま5分程煮る。
2. 小豆がふっくらしてきたら差し水をする。 再度沸騰したらそのまま5分煮て、茹でこぼす。
3. 再びたっぷりの水を火にかけ、沸騰したら小豆を入れ、沸騰する前に火を弱める。小豆が踊らないくらいの火加減で1時間煮る。 (小豆がお湯から出ないよう、様子を見て必要であれば差し水をする。)
4. 指で潰せる程度に柔らかくなっていれば火を止め、蓋をして30分ほど蒸らした後、優しくザルにあける。
5. 鍋をすすぎ、水200mlと砂糖100gを入れ、火にかけ砂糖を溶かす。沸いたら火を止め3の小豆を静かに加える。クッキングシートで落とし蓋をし、一晩置き砂糖を小豆に染み込ませる。
6. 小豆を蜜から取り出し、蜜に残りの砂糖20gを加える。火にかけ沸いたら火を止め、再び小豆を戻し、また一晩置く。
7. 塩を加え中火にかけ、沸騰したら火を落とし弱火で20分程煮詰め、ザルにあけ蜜を切る。
8. クッキングシートに重ならないように並べ、少ししっとりしているくらいまで乾かし、お好みでグラニュー糖をまぶし完成。
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そして水無月です。
こちらは甘納豆のように時間がかからず作ることができます。甘納豆を購入した方はこちらからどうぞ。
*材料*
上新粉:100g 浮き粉:20g 薄力粉:15g 餅粉:10g 砂糖:100g 水:240ml
*作り方*
1. 上新粉、浮き粉、薄力粉、餅粉をふるったものと砂糖を混ぜ合わせる。
2. 1に水を2回に分けて入れ、泡立て器でダマがなくなるまで混ぜ、濾し器で濾す。
3. 30g取り分け、水10g(分量外)を加えて溶いておく。
4. 蒸し器をあたためておく。
5. 水で濡らした流し缶に残りを全て流し入れ、湯気の上がった蒸し器にすぐに入れる。 (流し缶に流し入れた後しばらく置いておくと分離するためすぐに蒸すのが良い)
6. 中火で15分蒸す。
7. 一度取り出し、3で取り分けていたものを上に流し入れ、甘納豆を散らす。
8. 再び蒸し器に入れ、5分蒸す。
9. 冷めたら型から外し、濡らした包丁で切ったら、完成。
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一行目の和歌は茅の輪潜りをする際に唱えることで知られる、拾遺和歌集に収録されている一首です。6月に夏越の祓をした人は寿命が千年にも延びるとのこと。
邪気も暑気も祓って今年の残り半分も無病息災で過ごしたいですね。
連載:折々の一皿
香川県出身、一児の母。英国での一人暮らしを経て改めて和食の魅力を実感。旬を取り入れた、和の要素を感じられる自宅でのお料理やおもてなしについて綴っていきます。