桜の白茶とチョコレート羊羹
連載:一茶一菓子
クラシライター:大久保香織さんより、お茶が主役になるようなお菓子とともに、ひっそり行っているメディテーションタイムをお届けします。
4月も半ばにさしかかり、そろそろ都内の桜も見納めに近づいてきました。
私の家の近くでは、濃いピンク色の陽光桜が咲いており、それも華やかで好きなのですが、やはり儚くて美しい、薄桃色の吉野桜に心動かされます。
今月は、お茶に桜をそっと忍ばせて、お花見気分のお茶時間を楽しもうと思います。
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お茶は白茶を選びました。
薄く 白く 淡い 味わいの白茶に、塩抜きをした桜の塩漬けの風味が嬉しい。
白茶というのは、微発酵をしたお茶で、体を冷やす性質を持つので、冬には飲まずに、少し暖かくなったタイミングで飲むことにしている。
白茶は、ほとんど日本で見かけることがなく、本場の中国でも流通量の1%未満なので、なかなか知名度が低いですが、実は私、数年前までの3年間、毎春に白茶を作っていました。
白茶は、特別な道具がなくても作ることができるお茶。
というわけで、簡単な作り方をご紹介します。4〜5月のカラッとした気候の日に2日間にわたり作ります。早朝に、ザルに茶葉をなるべく平らに並べて天日干しします。太陽が上がってきたら、室内に戻し、昼過ぎから夕方まで外に出し、夜は室内で乾燥させる、というのを2日くり返すと、シンプルな白茶ができあがります。
たまに揉捻という、揉みの作業を入れても良いです。そうすることで、少し発酵が促されます。
次は、茶器の準備を。食器棚から、境知子さんの急須と文祥窯さんの白磁の器を選びます。急須を置いた台は、「Private Table」という商品名が可愛い、ICCAさんのもの。
スイーツはチョコレートの羊羹。ブルーボトルコーヒーの「Terrine Chocolat」という名のこちらは、通常の羊羹よりも甘さが控えめで、チョコレートのこくやカカオニブの食感も嬉しく、お茶にも合います。
白茶に入れた桜の少しの塩味と香りが、羊羹との味わいを繋げてくれます。
和の味をメインに、少し広がりのある味わいを楽しめるお茶時間となりました。
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