手作りコンソメのジュレ寄せ

2024.11.28

連載:くらしつづり
インスタグラムでは日々のお弁当を紹介されているクラシライター:おべんとうつづりさんより、ここでしか見られない「くらし」 のひとこまをお届けします。

小雪を迎え、今年も残すところ1ヶ月余りとなりました。
年末に向かうこの時期、家族や友人との集い、おもてなしや持ち寄りをする機会も増えると思いますが、そんな時に私が幾度となく作っているのがジュレ(ゼリー)寄せです。

コンソメで作ったジュレ寄せはヨーロッパの古典的な冷菜のひとつでアスピックとも言います。
手近な食材でもきらきらと輝くジュレに閉じ込めると、華やかで見栄えが良くなる上、立体的な形は盛り付けもしやすく、おもてなしにぴったり。


一番出番が多いのは、スモークサーモンとポーチドエッグのジュレ寄せです。
料理学校で習ったこの前菜はサーモンのムースも一緒に固めた手のかかるものでしたが、ムースを省略した形で我が家の定番となりました。
スプーンを入れると黄身がとろりと出てきて、それをジュレと絡めるとたまらない美味しさです。


ジュレ寄せはどちらかと言えば、中身よりもコンソメの出来で美味しさが決まるような気がします。

実際、料理学校ではこのジュレを作るのに2日間かけていました。

コンソメ作りの工程はざっと

  1. 鶏ガラや手羽先と香味野菜、ハーブを煮込んで鶏のブイヨンを作る。
  2. そのブイヨンに牛ひき肉、香味野菜のみじん切りと卵白を加えてスープを澄ませながら旨味を加えてコンソメを作る。

となり、美味しいブイヨンやコンソメを作るには時間と手間がかかるのですが、出来れば時短と手抜きをしたい私がいろいろと試した結果、行きついた我が家のコンソメスープの作り方をご紹介します。
鶏のブイヨンを作らずに、市販のブイヨンやチキンスープを使った方法も書いていますので、参考にしてみてくださいね。

 


【レシピ】鶏のブイヨン|基本の鶏出汁



材料

・鶏の骨付きもも肉 2本
・玉ねぎ 1/2個
・にんじん 1/2本
・セロリ 1/2本
・にんにく 1片
・ローリエ 1枚、(セロリの葉やパセリの茎を入れても良い)
・クローブ 1個 玉ねぎに刺しておく
・塩 小さじ1/4
・こしょう 少々(あれば粒こしょう 5粒)



作り方

玉ねぎは横半分に切り、ばらばらにならないように楊枝で止める。お好みでクローブも刺しておく。にんじん、セロリは縦半分に切り皮をむいておく。

鍋に鶏肉、野菜、スパイス、塩を全て入れて水を1リットル加え沸騰させる。あくを取り除いて鶏肉に火が入るまで弱火で20~30分煮る。


ペーパータオルを敷いたざるで濾す。(でき上がり750cc前後)



メモ)鶏肉のブイヨンは一般的には鶏ガラや手羽先などを使い長時間かけて煮出すとされていますが、骨付きもも肉を使うと短時間で良い出汁が出ます。お肉は棒棒鶏やサラダの具など、別の料理に使えるよう煮過ぎないようにします。

 

このブイヨンを使って、コンソメスープを作っていきます。

 


【レシピ】コンソメスープ|鶏のブイヨンを使って



材料

・牛肉赤身ひき肉 200g
・玉ねぎ1/4個
・にんじん 1/4本
・セロリ 1/4本
・鶏のブイヨン 750cc
・卵白1個分



作り方

野菜は全てみじん切りにする。鍋に野菜、牛ひき肉、卵白を入れよく混ぜる。冷ましたブイヨンを少しずつなじませながら加える。


中火にかけて沸騰するまで木べらでかき混ぜ続ける。ひき肉が浮いてきたらかき混ぜるのをやめて弱火にする。

表面が一番泡立っているところに穴を空ける。その穴からスプーンであくや底にたまったカスをすくう。また中のスープの澄み具合を確認する。

沸騰してから40分ぐらい煮てスープがきれいに澄んだら火を止め、空いている穴からおたまを入れて中のスープをすくいコーヒーフィルター、または2枚重ねにしたペーパータオルをのせたざるで濾す。(でき上がり 500ccぐらい)



メモ)

・卵白は液体中のたんぱく質に吸着してスープを澄ませる作用があります。古くから発酵後のワインの濁りを取るためにも卵白が使われてきました。

・もっと時短をする方法として、市販のブイヨンやチキンスープ+玉ねぎとにんじんのみじん切り+牛赤身ひき肉を少し長めに煮るだけでもある程度澄んだ美味しいスープができます。(もっともっと簡単にするならば、玉ねぎとにんじんのみじん切りも無くして、牛赤身ひき肉を煮る工程だけでも◎)

・鶏肉と同じようにひき肉も別の料理に使えます。ひき肉は食感や旨味が少し抜けてしまうので、味の濃い料理(キーマカレー、チリビーンズなど)に再利用しています。

 

 

それでは、ジュレのレシピです。
生ハムや柔らかく煮たお肉を固めたり、その季節ならではの野菜を入れたりと、中に入れて固めるものによってバリエーションは豊富です。


【レシピ】ジュレ(アスピック)|手作りコンソメを使って

材料

・ブイヨン 500cc
・板ゼラチン 12.5g(2.5g×5枚)
・ポートワイン 大さじ1/2 (もしあれば)
・塩



作り方

板ゼラチンを冷水でふやかす。柔らかくなったら水分をペーパーでふき取る。

ブイヨンを沸かして、ゼラチンを入れ煮溶かす。塩でしっかりめの味付けをして、あればポートワインで香りをつける。

ゼラチン液を冷水に氷水につけて冷ます。

型の底に高さ3mmほど流し入れ冷蔵庫で冷やし固める。

具材を入れ、少しとろみのついたジュレを周りに流し入れ冷やし固める。



メモ)

・塩で加減するしっかりめの味付けの目安は、コンソメスープとして飲む時よりは濃い、という程度に。具材の塩気とのバランスをみながら、都度調整しています。

・適当な容器に入れてジュレのみで冷やし固めたものを、スプーンなどでほぐしてから具材に添えてもきれいです。

∟ イチジクと生ハムのコンソメジュレ添え

 

ご参考までに、おすすめのジュレの中身をご紹介します。

∟ ブイヨンで煮たグリーンピースと
生ハムで巻いたポーチドエッグを
ジュレの中に閉じ込めました。
フォークを入れた途端、黄身がとろり。

∟ 冒頭でもご紹介した、スモークサーモンのジュレ。
こちらはオーバルのプリン型で固めています。
これもポーチドエッグが入っているので
割ると黄身がとろり出てきます。

∟ 柔らかく煮た豚肩ロース肉を角切りにして
刻んだパセリと一緒にジュレで固めました。
ブルゴーニュ地方の郷土料理、ジャンボン・ペルシェ風。
ジャンボン・ペルシェに倣ってマスタードを添えて。

ぜひお好きな具材をジュレで固めて楽しんでくださいね。

もうすぐ12月。
クリスマスや年末年始がすぐそこです。
前回のキッシュ同様、パーティやおもてなしのメニューに迷ったら、候補のひとつとして思い出していただければ嬉しいです。

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