連載:くらしつづり
インスタグラムでは日々のお弁当を紹介されているクラシライター:おべんとうつづりさんより、ここでしか見られない「くらし」 のひとこまをお届けします。
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10月に入り霜降を迎えても残暑を引きずるような日々が続いていましたが、ようやく秋らしさを感じるようになってきました。
暑い時期には敬遠していたバターを使ったパイやキッシュ作りをやっと解禁できます。
早速、秋の食材を使ったキッシュを作りましたので、レシピと一緒にご紹介します。
まずはキッシュの土台になるタルト生地、パート・ブリゼの作り方です。
長年キッシュを作ってきて、いろいろと試してみましたが、最近はこの分量に落ち着いています。
【レシピ】パート・プリゼ|サクッと軽いキッシュの土台のタルト生地
材料(直径20cmの型2台分)
・薄力粉 100g ・中力粉 100g ・細挽き全粒粉 50g ・バター 125g 1cm角に切って冷やしておく。 ・卵 60g(卵黄2個+白身で調整) ・水 大さじ1強 ・塩 小さじ1 水で溶かしておく
※いつも2台いっぺんに焼いて、ひとつは冷凍しておきます。
※粉は薄力粉だけでも大丈夫ですが、よりグルテンの多い中力粉や強力粉を混ぜると生地のつながりが良くなり伸ばし易くなります。ただし縮む力も強くなるので休ませながら作業するようにします。 全粒粉を入れると風味とサクサク感が増すような気がします。お好みでどうぞ。
※卵は全て卵黄でも構いません。その場合、よりホロっとした食感になります。卵白が多いとカリッとした歯応えになりますが、切り分けの時に生地の縁が欠け易くなるため悩ましいところです。
※125g包装のバターを使うと計量が楽です。
作り方
フードプロセッサーに粉類を入れて混ぜる。
バターを加え、サラサラとした粉状になるまで粉砕する。
卵と塩を溶かした水を加える。
フードプロセッサーの中でまとまってきたら半分に分けて、それぞれラップに包んで冷蔵庫で休ませる。
打ち粉をした台の上で、3mmの薄さにのばす。
型の中に敷き込み、型の高さよりも1cm上のところで切り落とす。
指で型に密着させる。縁飾り用の道具、パンス・オ・タルトやフォークなどを使って縁を整えても良い。
底の部分にフォークで穴を開ける。
冷蔵庫でしばらく冷やす。
内側にオーブンペーパーを敷いて、ベイクストーンや小豆などの重石をのせて180℃に予熱したオーブンで15〜20分焼く。
重石を取り除いて卵黄(分量外)を塗り、さらに5分焼く。
型ごと冷ます。
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パート・プリゼが焼けたら、あとは具材と卵と生クリームの液種=アパレイユを流し込んで焼けば出来上がりです。
【レシピ】アパレイユ|基本のキッシュの液種
材料(直径20cmの型1台分)
・全卵 3個 ・生クリーム(乳脂肪分35%のもの) 1パック200cc ・塩、こしょう 適量 ・ナツメグ 適量
作り方
ボウルに卵を割りほぐし、生クリームを加え泡立て器で良く混ぜる。塩こしょう、ナツメグで調味する。
※アパレイユはパート・プリゼの縁ぎりぎりまで注いでいます。
※具材の量によってアパレイユの必要量は変わるので、やや多めの量になっています。 もし余ったら、ハード系のパンを浸してチーズをかけて焼くと美味しくいただけます。
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秋の旬の食材をたっぷり使ったキッシュのレシピを3つご紹介します。
【レシピ】秋鮭とブロッコリーのキッシュ
材料
・秋鮭 厚めの切り身 2切れ ・ブロッコリー 1/2房 ・玉ねぎ 1/2個 ・グリュイエールチーズ 80g 7〜8mmの角切りにする。 ・塩こしょう
作り方
ブロッコリーは小房に分けて茹でる。
玉ねぎは縦5mm幅に切る。しんなりするまで炒める。
鮭はひと口大に切って、塩こしょうする。 サラダ油を熱したフライパンで表面を焼き固める。
空焼きしたパート・プリゼにグリュイエールチーズを敷き詰め、玉ねぎ、秋鮭、ブロッコリーを彩り良くのせてから、アパレイユを流し込む。
180℃に予熱したオーブンで25分〜30分焼く。
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【レシピ】牡蠣とほうれん草のキッシュ
材料
・牡蠣 7〜8個 ・ほうれん草 1/2束 茹でて4cmの長さに切る。 ・ネギ 1本分 4cmの長さの細切りにする。 ・グリュイエールチーズ 80g 7〜8mmの角切りにする。
作り方
ネギはしんなりするまで炒める。
茹でたほうれん草は、オイルまたはバターでサッと炒めて水分を飛ばす。
牡蠣は水分をよく取り除き、塩こしょうをふり、薄力粉を薄くはたく。オイルまたはバターを熱して表面を焼く。
パート・プリゼに具材を敷き詰め、アパレイユを流し込む。
秋鮭のキッシュと同じように焼く。
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【レシピ】きのことカマンベールチーズのキッシュ
材料(直径13cmの型1台分)
・きのこ:マッシュルーム、舞茸、しめじなど お茶碗1杯分くらい ・ベーコン 20g 1cm角の細切りにする。 ・玉ねぎ 1/4個 縦5mmのスライスにする。 ・カマンベールチーズ 3切
※こちらのみ13cm型(だいたい20cm型の4割くらい)のレシピです。 小さな型を使えば、おもてなしの時などにこのままお出しすると見映えが良い、切り分けの手間が省ける、というメリットがあります。
作り方
玉ねぎはしんなりするまで炒める。
きのこ類はひと口大に分けて、クッキングペーパー、またはホイルの上に広げ塩こしょう、オリーブオイルを回しかけて予熱中のオーブンで焼く。
ベーコンも同じようにオーブンで脂が出るまで焼く。
パートブリゼにベーコン、玉ねぎを敷き詰め、きのことカマンベールチーズをのせて、アパレイユを注ぐ。
秋鮭のキッシュと同じように焼く。
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ご参考までに、おすすめのキッシュの具材をご紹介します。
∟ いちじく、ゴルゴンゾーラ、くるみのキッシュ
∟ スモークサーモン、じゃがいも、ズッキーニのキッシュ
∟ トマトのキッシュ
∟ ポロネギのキッシュ
今回ご紹介したような具沢山のキッシュは単品でも栄養価や満足度が高く、朝昼晩、おやつに、おつまみにと楽しめますし、おもてなしやポットラックにも見映えがします。具材が上から見えるように組み立てるとより華やかに見えますね。
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パート・ブリゼだけを先に作っておけば、当日は具材を詰めて焼くだけなので意外に手間がかかりません。
これからのパーティシーズンのメニューに迷ったら、候補のひとつとして思い出していただければ嬉しいです。
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連載:くらしつづり
食いしん坊が高じて、コルドン・ブルーとリッツ・エスコフィエでフランス料理を学び、JSA認定シニアソムリエも取得。数年前まで自宅でフランス家庭料理の教室を行っていました。