師走の暮らしごと〜正月事始め:心穏やかに新年を迎えるための準備〜
12月13日から、お正月の準備を始める“年迎え”の日を「正月事始め」と言います。
12月は、どの月よりも日ごとに加速度を増して過ぎていくもの。小さな準備の積み重ねが、年神様を気持ちよくお迎えするための大切な一歩に。
今回は、心の支度を整え、静かに予定を立てながら過ごしていくためのお正月に向けた準備のアイデアを4つご紹介します。
① お正月小物、懐紙や干支の小物を買いにいく

最近のデパートのお正月小物の特設会場は、年々早く準備が始まっています。とても華やかで、特別なお買い物の時間です。12月に入ると、早々に買い物日を決めます。商品が揃っているうちに、選ぶ時間そのものを味わいながらお気に入りを迎えたい気持ちと、年末の混雑を避けたい思いからです。
選んだ紅白や干支の柄の敷紙、懐紙は、お祝い膳の下にそっと敷くだけで、ほんの一枚の紙とは思えないほど、うつわや料理を引き立てて食卓の表情をぱっと明るくしてくれます。
干支の小さな小物が目に入ると、“あぁ、新しい一年が始まった” と毎年、心が切り替わります。
② うつわをしつらえる

普段はしまい込みがちな“特別な日のうつわ”を取り出して、お手入れする時間を愛おしみます。新しいうつわが、ひとつ、ふたつ仲間入りする年もあります。
すべてを一度に揃えなくても、歳を重ねていくことを楽しむように「その時の私の心が惹かれたもの」だけを少しずつ。そんな小さな積み重ねが、毎年のお正月の食卓をゆっくり豊かにしてくれます。
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③ お正月の食材を考える

住んでいる土地、そして家に受け継がれてきた “ならわし” を大切に。わたしの住んでいる関西では「まぁるく、まぁるく」と円満を願う心が息づいていて、丸餅に、祝い大根や金時人参も丸く切って、お雑煮に浮かべます。
黒豆、数の子、田作り、昆布巻き。昔ながらの祝い肴も、無理のない形で楽しんでいけるように。食材選びの時間も、“一年ぶりね” な小さな出会いもあります。
毎年、同じ気持ちでお正月を迎えられるわけではないからこそ、今を大切に。今年の年末も台所の時間を、穏やかに過ごしましょう。
④ 年神様を迎える準備

∟ こちらは2019年(亥年)の時のしつらえ
お正月は、本来“幸せを運んでくださる年神様”をお迎えする行事。年のはじめに家々を訪れる年神様に、“わが家は、お迎えできる準備が整っています” とそっとお伝えできるように。
しめ飾りは28日まで。29日(く→苦がつく)と31日(一夜飾り)は避けましょう。
大掃除をして家の空気を整え、玄関には年神様への“目印”となるお飾りを添えます。最近はさまざまな葉牡丹も出ているので、アレンジを楽しむのもひとつ。また、家の中には、年神様が静かに鎮まる“依代”として鏡餅をととのえます。
元日の朝は、家族みんなでゆっくりとくつろぎながら、お雑煮や祝膳をいただいて一年を始めます。

新しい一年を迎えるために、心穏やかに、ゆっくり、着実に、古くから続く年迎えの習わしにならって。
年の瀬に向かって、締めくくりの準備に入りましょう。
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