小鳥のための、ピーナッツリース|暮らしの空間に野鳥を呼ぶナチュラルクラフト



連載:くらしの図工室byゆずの木アトリエ
日々のごはんを作るように、暮らしのものを作ったり、直したり。クラシライター:真鍋百萌さん(Instagram)より、「自然のものから暮らしのもの作り」のアイデアをお届けします。
子供のころから、家の窓の向こうが森だったらどんなにいいだろう、と思っていました。
小学生のころは、ごく普通の団地の子供部屋から、結婚してからはアパートの掃き出し窓から、外の道路や民家を眺めては、そんな憧れをもっていました。
きっと毎日気持ちいいに違いないと。
実際に森の中に住んでいたら、湿気が多かったり、植物や虫や動物との境目のない共同生活になるわけで、それはもう理想とは違った大変さもあるだろうと想像します。
でもやっぱり、今でも素敵だなと思っています。
東京郊外の現在の自宅の裏は、広い植木の農園になっていて、大きな杉や松や山茶花がたくさん植えてありました。
幸運にも森のような眺めの窓のある住まいに住むことが叶い、毎朝東側の窓のカーテンを開ける楽しみができました。

∟ 4月のアトリエ兼リビングより
裏には小鳥がたくさん来て朝早くから鳴いているので、ひまわりの種を庭に置いてみたら、主にシジュウカラが食べに来ます。
まずは農園の高い木にとまって自宅の庭を遠くからうかがって、大丈夫そうだと分かると、徐々に近づいてきます。
たいていは夫婦つがいで来て、1羽が危ないことがないか確認している間に、もう1羽が餌を取りに来るように見えます。
なんて仲が良くて賢いのだろうと思います。
✔︎ ピーナッツリースで暮らしの空間に野鳥を呼ぼう

∟ こちらはサングラスが特徴、肉食のモズ
穀物を好むシジュウカラは、庭に呼びやすい小鳥。食事をする可愛らしい姿をゆっくり見るには、ピーナッツリースを掛けるのがおすすめです。
ピーナッツの旬は秋(9月~11月ごろ)ですが、乾燥させて長期保存が可能な食物なので旬の後の時期でも手に入りやすいですし、また、ピーナッツリースは森に餌が少なくなる12〜3月頃の楽しみです。(節分にピーナッツをまく地域もありますね。)
作り方はワイヤーに、穴を開けておいた殻付きピーナッツを通すだけ。
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ピーナッツの両側についばみやすいように穴を開けておくと、リースにつかまって、穴から少しずつくちばしで掘り出して食べる様子が見られます。
しばし見惚れてしまう可愛さです。
驚かさないように、そっとカーテンの陰から見守ります。
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✔︎ ピーナッツリースを設置する場所のポイント
なるべく人の頭より高い場所で、なおかつ行き来の少ない場所にかけるのがお勧めです。
高い庭木の枝先や、ベランダの、人の出入りのない場所などです。
小鳥が見つけてくれるまでは、根気よく待つしかありませんが、ひとたび見つけてもらえば、ひっきりなしにやってくるようになります。
✔︎ 住宅街にも、小さな庭にも、変化する環境にも。きっと野鳥はやってきます
ここまで読んで、うちは住宅街だから野鳥なんて、と諦めないでください。
実は街には意外とたくさんの野鳥が住んでいます。
裏が農園でなくても、森や公園のない住宅街でも、小鳥はやってきます。
小鳥にとっての天敵は大きな鳥なので、人の近くは安全だと思っているようなのです。
しかし、冬は餌となる虫や植物が少ないので、小鳥にとっては、食べ物と水があって、ちょっとした休憩が取れる場所は貴重です。
以前住んでいたマンションのベランダでは、米粒をトレーに入れておいたらスズメが食べに来ていました。
小さな庭でももちろん大丈夫です。
待っていれば、きっと来てくれると思います。
実は少し前から、自宅の裏の農園では、大きな木が切られ、工事が始まりました。
窓からの眺めは日々変化していますが、そこに訪れていた生き物たちの居場所が少しでも受け継がれるようにと、今年も庭にピーナッツリースをかけました。

森の中に住む夢は諦めきれないけれど、小さな生き物と関わっていると、森の中にいるような気持ちになれます。
冬の間の、小鳥の休憩所を開いてみませんか。

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