武夷岩茶と秋の茶パフェ

2024.09.14
大久保香織

連載:一茶一菓子
クラシライター:大久保香織さんより、お茶が主役になるようなお菓子とともに、ひっそり行っているメディテーションタイムをお届けします。

白露となり、やっと少し朝夕が涼しくなってきたこの頃。

夏の間は、水出し緑茶と水出しフレーバーティーをローテーションしていた私。夏のお茶はスムーズに喉を冷やし潤して欲しい。飲んだ後、初めに吐く鼻の息から爽やかな香りが戻る時、心地よさが広がります。

一方、秋のお茶に求めるものは、もう少しゆっくりと喉を通るテクスチャーと、鼻腔いっぱいに広がるコクのある豊かな香り。少し甘みの混じった焙煎香を香りながら、楽しかった夏に思いを馳せます。

というわけで、9月の一茶一菓子、お茶は武夷岩茶の白鶴冠を、スイーツは焙じ茶アイスと岩茶のグラニテと、2種類のお茶を使ったパフェを楽しもうと思います。


白玉は1月アイスは7月の連載でレシピを書かせていただいているので、今回はグラニテの作り方をご紹介します。
シンプルながら手をかければかけるほど美しくできるグラニテ。こまめに手をかけた結果、さらさらの甜菜糖みたいでとても綺麗なものが完成したので満足です!

 


岩茶のグラニテの作り方



ボールに濃いめに岩茶を抽出して冷凍庫に入れ、完全に凍る手前の半凍結の状態で混ぜることを何度も繰り返す。
混ぜる頻度が高いほど、細かい粉末状になります。
今回は10分に1回混ぜるのを4〜5時間繰り返しました。

 

 

グラスに下から、あずき、岩茶のグラニテ、焙じ茶アイス、白玉を乗せたらパフェの完成。


今回はオールドバカラのグラスに入れました。


さぁ、早速お茶を飲みましょう!!

茶器は小林知恵さんの蓋碗を使います。
手に馴染む大きさとセミマットな質感が使いやすく、女性的なフォルムも好き。
まずは、蓋碗に湯を注いで温めます。
茶葉を取り出し、まず乾燥時の茶葉の香りを楽しみます。
一度湯を切り、蓋碗に茶葉を入れ、ふたを閉めたら蓋碗を2-3度振り、今度は少し蒸れた茶葉の香りを感じます。
蓋碗の上の方まで沸騰した湯を注ぎ、蒸らしたら、上蓋を少しずらしつつ茶杯に注ぎます。


しっかり、最後の一雫まで抽出します。

その名の通り、産地は武夷山の岩山で、その岩に含まれる豊富なミネラルに由来する力強さや、白鶏冠の品種ならではのエレガントさを探しながら、味わいます。


潤った茶葉も美しい。

評茶をしては飲み、香りにうっとりし、岩茶の歴史を振り返ってはまた飲みと、最初はぐるぐると頭がはたらいていますが、5煎、10煎と煎を重ねていくと、最後には心地の良い瞑想モードに。



ちなみにですが、今回は岩茶の中でも1番知名度の高い「大紅袍」ではなく、「白鶏冠」を選びました。この茶葉の名前の由来は、新芽の縁が薄黄色で縮れた感じが、鶏のとさかに似ているため、この名前が付いたとされています。
お花で合わせたケイトウも、形が鶏の頭に似ているということで、”鶏のとさか”繋がりで、お茶の種類とお花の種類を密かに合わせてみました。

 

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