白木蓮の茶と甘いシロップの白玉
連載:一茶一菓子
1月13日(土)より、月1回土曜日で新連載スタート♪
クラシライター:大久保香織さんより、お茶が主役になるようなお菓子とともに、ひっそり行っているメディテーションタイムをお届けします。
慌ただしい新年が明け、楽しみにしていた自分だけのお茶時間。
大切なお茶を飲むとき、私は30分の余白を見つける。目を瞑りながらゆっくりと、全身で好きなお茶を感じたいから。
数日くらい前からこのお茶かなぁ、と目星をつけておいたのは、春の訪れをイメージさせる白木蓮のお茶。今年の開花にはまだ少し早いけれど、去年作っておいたものがある。
白木蓮の蕾が膨らんで、いまにも開きそうなものを摘み取り、中心にある雄しべをハサミで取り除き、6枚の花びらを丁寧に開いて乾燥させる。
これで、生薬として鼻炎などに効果のある成分が含まれる白木蓮のお茶の完成。韓国ではこちらよりポピュラーに飲まれているという漢方茶。
昔から白木蓮を鑑賞するのが好きなので、作る工程もワクワク。
時間の経過で白い花が黄色く変化していくのも面白い。
ガラスのポットで様子を見ながら飲む。たった1枚の花びらでも250mlくらいのお茶ができる。水から花びらを入れて、しっかり沸騰させたらあとは黄色くなるのを見て火を止める。
優しい色合いで止めると、甘さをより感じて癒されるし、しっかりと煮出すと、口から鼻にすっと抜ける芳香が強まる。
おともは優しい甘いシロップにつけた白玉。
お茶を主役にしたいので、シンプルで少し物足りないくらいの優しい味にする。水、きび砂糖、スライスした生姜を鍋でコトコトして作るシロップに白玉を浮かべるだけ。
白玉 100g 《シロップ》 |
愛おしい不揃いの白玉たち。
一茶一菓子の準備ができたら、まずはお茶の香りを楽しむ。姿勢を正して気道を意識しながら、体に行き渡って行くのを感じる。口に含むと、味わいと香り、温度が感じられて、五感が開いていく感覚がある。そっと目を瞑ると、木蓮のこれでもかと大きくなる花びらが思い浮かび、心が満たされてゆく。
ひとしきりお茶を堪能したら、白玉をいただく。生姜シロップの優しい甘味が、木蓮茶のすーっとした味とリンクしてくれる。
甘いシロップって、水とお砂糖でできるんだと知った日の単純な喜びが思い出されてきた。
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