月桃のおはなし

2024.06.23
nijisuzume

連載:シチシチムジクイ 島の暮らし
西表島在住のクラシライター:nijisuzumeさんより、自然の移り変わりや植物のサイクルに合わせたものづくり〈シチシチムジクイ〉をお届けします。

 五月下旬に梅雨入りした八重山地方では、本州より一足お先に雨続きの日々となりました。そんな梅雨のシーズンに、雨に濡れながらも生き生きと花開くのは月桃の花。その可愛らしい花の蕾は、雨続きの日々の鬱屈とした気持ちを癒してくれます。

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 そんな雨続きのある日、ちょうど庭の大きなアカンギの大木の周りの月桃を刈りとる必要があったため、まだ花や蕾を蓄えた月桃十数株を、根本から刈ることになりました。


 刈り取った月桃の葉は乾かして、月桃の葉茶や、月桃の葉の鍋敷用にします。月桃の茎も同じように乾かして、テープ状にしたり細縄を綯ったりしてカゴ編みに使うなど、余すことなく使い切るようにしています。


 また、刈り取った月桃には、サヤから溢れたばかりの月桃の蕾、そしてサヤのなかにも月桃の蕾がたくさん詰まっていました。それらを生かすべく、蕾の全てを集めて、庭の蝶豆(バタフライピー)の青い花とともに蜂蜜に漬けてみました。

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 気温が高く、何でもすぐに発酵してしまう南国暮らしのため、月桃と蝶豆花を蜂蜜で漬けた大瓶は冷蔵庫に入れて保管します。
 しばらく経った頃に取り出してみると‥
 あら不思議。漬け込んだのは、白い色の月桃の花と、青い色のバタフライピーの花のはずでしたが、美しい紫色のコーディアルが出来上がりました。


 葉、茎、花、蕾、と刈り取った全てを有効に使うことのできる素晴らしい月桃という植物。

 その月桃という植物の葉を用いて作る、月桃の鍋敷づくりの手技を、今回クラシコサエルのワークショップにて、みなさまへお伝えできる機会に恵まれました。


 ✔︎ 月桃の鍋敷づくりと島のお茶を愉しむ会
✔︎ 八重山伝統の箒づくりと島のお茶を愉しむ会
   ↑こちらも同時募集開始しています。)

 月桃の葉の爽やかな香りに包まれながら、ガラスポットやミルクパン用の、小さめサイズの月桃の鍋敷きを製作します。単に鍋敷作りの手法をお伝えするだけでなく、月桃をはじめとする島の植物のことや、手仕事のこと、島の暮らしのことなど、いろいろとお話ししながら製作できたらと考えています。


 そして月桃の鍋敷を作り終えた後には、苧麻の繊維から細紐を綯う綯い方も伝授し、最後の仕上げとして月桃の鍋敷に取り付けることができたらと考えています。


 今回は島のお茶として、月桃のつぼみと蝶豆(バタフライピー)の花を蜂蜜で漬けた、美しい紫色の月桃蝶豆花ハーブコーディアルをご用意する予定です。

 お会いできることを楽しみにしています。

 

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