バタフライピーのおはなし

2023.08.13
nijisuzume

連載:シチシチムジクイ 島の暮らし
西表島在住のクラシライター:nijisuzumeさんより、自然の移り変わりや植物のサイクルに合わせたものづくり〈シチシチムジクイ〉をお届けします。

島では5・6月頃と10・11月頃に青い花を咲かせるバタフライピー。
蝶豆花ともいわれるこの花は、本州では夏に最盛期を迎えます。

このバタフライピーの花は、自然由来の青い色素としてとても優秀で、飲料やスイーツなどを青く色付ける時にとても重宝します。
しかも、少量で青くできる上に、ほぼ無味無臭なので、味の邪魔をすることもありません。

そんなバタフライピーの花の活用法について、ご紹介したいと思います。 

 

【バタフライピーウォーター】

バタフライピーの花を1つ2つ摘んで、そっと流水で洗い流した後、ガラスピッチャーなどに入れて一晩水出しします。
見た目も涼しげな、青いハーブウォーターとなります。
お好みでミントをひと枝一緒に入れると、清涼感ある風味が加わります。

 

【バタフライピーティー】

バタフライピーの花をカップに入れて、お湯を注ぎ入れてしばらく蒸らすと、青い色のバタフライピーティーを淹れることができます。
そこにシークワーサーやレモンなどの柑橘系果汁を何滴か搾り入れると、青色から紫色、そしてピンク色のバタフライピーティーへと色が変わっていく様子を楽しめます。


ちなみにバタフライピーティー自体は、青い色のみで味や香りがないため、レモングラスやフェンネル、ジャスミンの花、ミントなどのフレッシュハーブをお好みで自由に組み合わせるのがおすすめです。

 

【バタフライピーの花の蜂蜜漬】

本来であれば、収穫したバタフライピーの花は、平らなザルなどに広げて乾燥させるのが1番です。
しかし島は一年中高温多湿で、バタフライピーの乾燥には適さないのです。
そこで思いついたのが、バタフライピーの花を蜂蜜漬にするという保存法。
毎日ポツリポツリと咲くバタフライピーの花を、収穫するたびに蜂蜜を入れた瓶に、浮き上がってこないように深く漬け込んでいくだけで良いので簡単です。
ちなみに島ではすぐに発酵してしまうので、瓶ごと冷蔵庫に入れて保存しています。

 

【バタフライピーかき氷】

バタフライピーの花の蜂蜜漬は、そのままかき氷のシロップとなります。
薄めたりせずにそのままかき氷にかけるだけで青い色のかき氷となります。
そこにシークワーサーやレモンを搾り入れることで、バタフライピーティーの時と同じように、青色のかき氷が紫色やピンク色へと変化し、目を楽しませてくれます。
 

 

【バタフライピーゼリー】

バタフライピーの花の蜂蜜漬を使って、青い色のゼリーが作れます。
つるんとした食感と弾力が好きなので、我が家ではアガーを使用して作ることが多いです。
アガーと水とバタフライピーの蜂蜜漬スプーン数杯分ときび砂糖少々を攪拌し、火にかけて溶かしたら、バットに移して冷やし固めます。
攪拌する段階で、シークワーサーやレモンなどの柑橘果汁を少々加えると、紫色やピンク色のゼリーにすることができます。

 

このほかにも、お米と一緒に炊いてブルーライスにしたり、塩に青い色を移して瑠璃塩にしたりと、色々な活用ができるバタフライピーの花。
この目にも涼しげなバタフライピーの花の青色を、料理や飲み物やデザートに生かすことで、涼やかに暑い夏を乗り切ってゆけますように。

 



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