バタフライピーのおはなし
連載:シチシチムジクイ 島の暮らし
西表島在住のクラシライター:nijisuzumeさんより、自然の移り変わりや植物のサイクルに合わせたものづくり〈シチシチムジクイ〉をお届けします。
今回は後半にnijisuzumeさんが講師をつとめるワークショップのお知らせがあります♪
去年たくさんの花を咲かせてくれたバタフライピーでしたが、いつしか弱り、葉を落とし、枯れたかのように見えていました。ところが雨季に入った頃にふと気がつくと、枯れたかと思われていたその蔓から新芽がふき出し、青々と繁り、今年もまたたくさんの花をつけてくれるようになりました。
✔︎ バタフライピーのおはなし(2023年版…島の暮らしはめぐります)
調べてみるとバタフライピーは、日本では寒さを越せない一年草であるのに対し、東南アジアなどでは多年草であるとのこと。なるほど、そういうわけで一度枯れたように見えたのだけど、暖かくなって復活したのだなと納得。
まずはバタフライピーにお湯を注いでバタフライピーティーに。この時に気づいたのですが、バタフライピーティーの青い色は、花びらから抽出されるので、花全部をもぎ取る必要はなく、花びらの部分だけを採るようにすれば、おしべもめしべも残せるのではないかということ。それに気づいてからは、必要な花びら部分だけを採るようにしました。
バタフライピーティーを淹れた残りを製氷器に入れて氷にすると、水や炭酸水を加えるだけで手軽に涼しげな青い飲み物が作ることができます。
それから今年は、たくさん咲いているバタフライピーの花で、一度試してみたかった「プルーライス」を作ってみることにしました。
バタフライピーの花びら部分を摘んで、といだお米に分量の水とともに加えて、少し花びらを揉んで青い色を出すようにして、後は普通に炊飯器で炊きます。すると‥
衝撃的な見た目の青いお米が炊けました。我が家ではスパイスカレーの時に、このブルーライスを炊いたのですが、スパイスカレーの黄色とバタフライピーご飯の青い色とのコントラストが、なかなかのインパクトでした。けれども、バタフライピー自体には香りも味もほぼ無いので、インパクトの割には、いつも通りのご飯の味でした。
ツユクサ塩という青い塩があることを知り、バタフライピーの花で代用して作ることができないかな?と思って、試してみました。といっても、バタフライピーの花びらの部分だけを収穫し、そこに塩を加えて揉み込むようにするだけですが。
ツユクサ塩よりずっと深い青色の、バタフライピー塩が出来上がりました。使い方は色々でおにぎりにまぶしたり、豆腐にパラパラかけたり。焼いたステーキにこの青い塩を添えると、洒落たレストランの一皿のようになりました。
沖縄より1シーズン遅れて、本州では夏頃にバタフライピーのシーズンが到来することでしょう。その際はぜひこちらのバタフライピーの活用法を参考にしてみてください。
そして、必要な分を必要な分だけ。生かし切れる分だけ。バタフライピーの花を収穫する時は、必要な部分である花びらだけをそっと採って欲しいなと思っています。花を丸ごと摘み取るのではなく、おしべとめしべを残して花びらだけを収穫すること。そうすることで、きっとバタフライピーは実を結び、種をつけ、種を次の世代へと生命を繋いでゆくことができるでしょう。
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