如月の暮らしごと〜器の衣替え:春を意識した和食器の整理〜
冬の終わりが少しずつ見え始め、春の気配を感じる如月。
年始に使ったものたちが、まだ家の中に少し居座っているのを目にして、時の流れの速さに、ふと焦りを感じることもあります。年度の終わりも近づき、何かを新しく始める前に、いまの暮らしを一度整えたくなる季節です。
結婚十周年の記念に迎えた、わが家のカップボード。
当時流行っていたアンファンのカントリー家具で、カップ&ソーサーやグラス、ワイングラスなど、洋の器を中心に並べて楽しんでいました。扉を開けるたびに、少し背伸びをしたような気持ちになった、大切な家具です。

けれど、それから十年単位で年月を重ねるうちに、暮らしは少しずつ変わっていきました。
食卓に並ぶ料理も、器の選び方も変化し、自然と和食器を手に取る機会が増えていきます。気がつけば、カップボードの中身はほとんど動かなくなり、「今の暮らしに合う食器棚に買い替えた方がいいのだろうか」簡単に結論を出せないままここ数年は考える時間が増えていました。

(取り外し可能な上部の飾り板。
和食器専用にした現在は取り外しました。)
✔︎ 食器棚はそのままに、器を替えてみる
そんな時、ある日、ふと考え方を変えてみようと思いました。
食器棚を買い替えるのではなく、器を替えてみたらどうだろう、と。
思い切って食器棚の中を空にし、大切に集めてきた和の器たちを並べてみます。
時代を経て、縁あって私の手元にやってきてくれた絵付けの器たち。これらは今の時代、私が預かっているだけの存在です。
きっとこの先も、誰かの手に渡り、おいしい時間を彩っていく。そう思うと、一つひとつが器であると同時に、小さな時代の芸術品のようにも感じられます。

(お正月は富士山・松竹梅・塗りのお皿も
並べてみました)
✔︎ 如月に行う、器の小さな衣替え
年始に使ったお正月の器たちから、如月になると、ほんの少し春を意識した器を前に出します。
お雛様の珍味入れなど、春を待つうつわや私自身が絵付けした淡い色の器も混ぜています。これから絵付けをする白磁や、金継ぎの順番を待つ器も、そのまま一緒に。完成したものだけでなく、途中にあるものも含めて、今の暮らしなのだと思います。

まだ寒さの残る季節だからこそ、色や文様にやわらかな気配を添えて。すべてを入れ替えるのではなく、少しだけ衣替えをする。その加減が、心地よく感じられます。

(引き出しの中の箸置きも、
春を感じるものを前面に。)
新しい食器棚を迎えることは諦めました。
長年ともに暮らしてきた思い出を大切にしながら、これからの暮らしに、そして季節に合わせて中身を整え、このカップボードと付き合っていきたいと思います。

今持っている家具も、使い方ひとつで景色が変わる。
如月は、そんな小さな整え直しを楽しむのに、ちょうどよい季節なのかもしれません。
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