菜の花のおはなし〜菜の花を楽しむ春のシンプルな料理〜
連載:シチシチムジクイ 島の暮らし
西表島在住のクラシライター:nijisuzumeさん(Instagram)より、自然の移り変わりや植物のサイクルに合わせたものづくり〈シチシチムジクイ〉をお届けします。
冬の終わりと春の始まりを告げるかのように、畑のあちこちで菜の花の小さな黄色い花々が広がっています。菜の花に顔を近づけると何とも言えない良い香りがします。この甘い春の香りがたまらなく大好きです。

✔︎ 島で親しまれる「シマナ」の菜の花
菜の花とは、主にアブラナ科の植物が咲かせる黄色い花の総称です。島では「芥子菜(カラシナ)」のことを「シマナ」と呼んでおり、菜の花というと「シマナの花(芥子菜の花)」が一般的です。ピリッとした葉の辛みが美味しく、害虫にも強く育てやすいので、好んで育てる人が多いです。

✔︎ 春の味覚、菜の花のおひたし
そんな菜の花の咲く時期に作りたいのが、菜の花のおひたしです。
菜の花の黄色い花と蕾の部分は取りよけておき、湯を沸かしたら、葉や茎の部分を先に入れて茹でます。鮮やかな黄色に仕上げたいので、取りよけておいた菜の花と蕾の部分は最後に入れ、サッと軽く湯をくぐらせる程度にします。色が変わったらすぐに引き上げ、冷水へ。ぎゅっと絞り、食べやすく切って、器に盛りつけます。味付けはだし醤油をほんの少しだけ。菜の花のほんのりとした苦味のある春の味覚によって、冬のあいだ縮こまっていた身体が目覚めるかのようです。

✔︎ 菜の花の黄色を閉じ込めた季節のゼリー
菜の花の黄色い花をたくさん摘んできたら、サッと水洗いしてよく乾かした後、花びらと花だけを集めます。集めた花と花びらで、明るいビタミンカラーの黄色い花を閉じ込めて、菜の花を散りばめたゼリーをつくります。

つるんとした喉越しが好きなので、我が家では寒天やゼラチンではなくアガーを使うことが多いです。
アガーと砂糖をあらかじめよく混ぜておき、そこに水を加えます。よく混ぜたら鍋に入れて火にかけます。ふつふつと沸いてきたら耐熱のガラスなどに注ぎ入れます。そして集めておいた菜の花の花びらと花をそっと散りばめ、ゆっくりと静かに撹拌します。花の色がゼリーの予熱によって変化したら撹拌をやめ、蓋をして冷蔵庫で冷やします。ゼリーが固まったら完成です。

✔︎ 彩りとして用いる菜の花のフレッシュハーブティー
いつものフレッシュハーブティーに、菜の花を加えてみたくなり、ミントと、ヨモギとを合わせたフレッシュハーブティーに、菜の花を少しだけ加えてみました。味わってみると、菜の花を加えた分だけシマナを茹でたときのような風味が加わっていました。なので特に美味しくなるというわけではないので、彩りとして用いると良さそうです。黄色い花の色が目に鮮やかで、見ていて元気が出てくるようなフレッシュハーブティーとなりました。

決して派手ではないけれど、そのお日さまのような明るい黄色でそっと季節を知らせてくれる菜の花。今年もまた、菜の花とともに春の訪れを感じられたことを、静かに嬉しく思っています。
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