珈琲の実のおはなし〜コーヒーチェリーとカスカラ活用法〜
連載:シチシチムジクイ 島の暮らし
西表島在住のクラシライター:nijisuzumeさん(Instagram)より、自然の移り変わりや植物のサイクルに合わせたものづくり〈シチシチムジクイ〉をお届けします。
暑さが和らぐとともに、緑色だった珈琲の実が次々と赤く色づき始めました。
珈琲の木を植えてから思い返せば10年以上の時が経ち、初めの頃はわずかな量しか採れなかった珈琲の実も、いつしかたくさん採れるようになりました。
今回は2023年の珈琲のおはなしに続き、珈琲の実についておはなしします。
✔︎ コーヒーチェリーについて


外側の赤い果皮の部分はカスカラと呼ばれ、少々硬いけれど味は甘く、苦かったり酸っぱかったりというクセもなく、食べることができます。
✔︎ カスカラの活用法

珈琲豆の収穫の際には捨てられてしまうことの多いこのカスカラですが、ポリフェノールやミネラルが豊富で、カスカラティーというお茶として飲むことができると知り、試してみることにしました。
本来はこちらのカスカラを乾燥させて、乾燥させたカスカラに熱湯を注いでお茶にするそうなのですが、ドライハーブティーにできるものはフレッシュハーブティーとしても飲むことができるはずなので、生の状態のカスカラに熱湯を注いだカスカラティーを淹れてみました。

コロンとしたコーヒーチェリーの可愛らしいフォルムと、ぷかぷかと浮かぶ愛らしいまん丸な赤い実。見ているだけで気持ちが明るくなるようなそんな見た目のカスカラティーでしたが、飲んでみた感想はというと‥
「ほんのり甘くて、薄っすらとフルーティな香りはするけれど、すごく美味しい!というわけではない」というのが正直な感想でした。
✔︎ 豆から焙煎して珈琲を淹れる

一方、珈琲の実の中から取り出した珈琲豆は、よく洗ってぬめりをとり、乾燥させ、珈琲豆の外側を覆っているパーチメントという硬い殻を取り外すと、中から薄皮に包まれた生豆を取り出すことができます。
取り出した生豆は焙煎します。以前は焙煎の道具を何も持っていなかったので、鉄のフライパンで苦労しながら焙煎しましたが、今回は「ほうろく」を手に入れたので、そちらを使って焙煎してみました。
焙煎した珈琲をコーヒーミルで粉に挽き、ドリッパーでドリップすると、やっと珈琲の出来上がりです。
主に素焼きの陶器で作られた浅い皿・鍋のこと。お盆の迎え火・送り火に用いられるほか、七輪などで茶葉・ゴマ・豆を煎る調理道具としても親しまれてきました。家庭では今回のようなコーヒー豆の自家焙煎や、またほうじ茶作りに使われるなど、他にも多様な用途を持つ道具です。

こうして実際に珈琲の実を収穫するところから自分で全てを手がけてみると、一杯の珈琲を愉しむためには気の遠くなるような工程があるということが改めてわかります。そしてしみじみと思うのは、珈琲豆の一粒は珈琲の種であり、生命なのだということ。(実際にこの一粒の珈琲豆を土に蒔けば、やがて芽が出て珈琲の木となります)
そんなことを心に留めながら珈琲を愉しむことで、より一層大切な珈琲時間を過ごせるのではないかと思います。
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