育てる南部鉄器とおやつづくり

2024.11.15
りえ

連載:暮らし日和
クラシライター:りえさんのお家の「心地よい」を求めた暮らし、暮らしの道具や家じかんのあれこれをお届けします。

私が毎日使っている南部鉄器は地元の工芸品です。工芸品と聞くとちょっとかしこまったハレの日に棚から出して使うイメージがあるのは私だけでしょうか。

買いやすい値段のものばかりではないので大事にするという意味で飾って楽しむこともできますが、おすすめしたいのは毎日づかいしていくことです。鉄だから錆びてしまうでしょ、と扱いにくいイメージを持たれやすいかもしれませんが、私は鉄器は「使いながら育てていく」道具だと思っています。

使い始めに油慣れをさせ表面をコーティングしたり使い終わりに火にかけて水分を飛ばしたりという工程を数日繰り返すと、表面に油分が定着していくので使わない日があってもそれで錆びるということはなくなっていきます。
使い続けることでどんどん錆びつきにくく付き合いやすくなる道具なんです。

特有の重さがあってひょいひょい持ち上げられるものは少ないという特性はありつつも、長く使い続けられる道具として買い替える必要がほぼないこと、鉄分を摂取できること、使い続けることで味が出ることなど鉄器がもたらす恵みの方が大きいと思っています。
うちには、7種類の南部鉄器があり材料の量や用途に合わせて使い分けています。
 


写真はそのうちの4種類。
どれも、南部鉄器と呼ばれる地元の工芸品です。7年ほど前に縁あって鉄器を使うようになってからは、もう他の道具には戻れないというくらい鉄器を愛用しています。
最近は鉄器を使ったあたたかいおやつ作りにはまっています。寒さを感じるようになってきた体があたたかい食べ物を欲しているからかもしれません。

手軽でおいしいのは、焼きいも。
鉄器の底に専用の石(「石焼きいも用石」)を敷いて小さめのさつまいも3,4本を乗せます。蓋をして中火→弱火で一時間ほど。じっくり火を通すので中までほくほくの焼きいもに仕上がります。帰宅した娘3人がぺろりとたいらげる大好評なおやつです。


石は洗って何度でも。

 

それから、りんごのバター煮。


バターと砂糖を入れ、弱火で優しく火を通していくともちっと柔らかいリンゴ煮が出来上がります。シナモンパウダーとアイスを乗せるとちょっと豪華なデザート気分。「いいにおいがする~」と香りに誘われて子どもたちが集まってきます。

あわせて読みたい

《さつまいもやりんごを使ったおやつのレシピ》/ お芋のイートンメスせいろで作るさつまいも蒸しパン焼きりんご

シナモンパンケーキもふわふわに焼き上がります。
鉄器の模様が焼き目になるかわいさ付きです。


簡単なおやつで恐縮ですが、信頼できる道具の存在に助けられながら台所仕事を楽しんでいます。
一緒に歳をとっていけるという意味でもそばに置いておきたい相棒としてこれからも毎日大切に手にしていきたいです。
またの機会に家にある鉄器の話を詳しくしてみたいと思っています。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。

 

11月の読みもの

11月の暮らしや行事を楽しむアイデアや旬の食べ物に関すること(レシピ付き記事も)、12月の準備などの記事をお楽しみください♪

≪ 10月一覧12月 ≫

 



\ PICK UP ITEM /

おすすめ商品