水無月の暮らしごと〜梅肉エキス作り:青梅で作る季節の保存食〜

公開日:2026.06.04
Tammy*

連載:季節のしつらい手帖
手のぬくもりが残る暮らしを大切にしているクラシライター:Tammy*さん(Instagram)より、月ごとに楽しむ食べること、暮らすこと、についてお届けします。

雨の気配を感じる頃になると、店先には青梅が並び始めます。
この季節になると、梅干しや梅酒、梅シロップなど、さまざまな梅仕事を楽しみますが、今年は久しぶりに梅肉エキスを作りました。

手作りの梅肉エキス

梅肉エキスは、青梅の果汁をじっくり煮詰めて作る昔ながらの保存食です。
手間も時間もかかりますが、その分だけ先人の知恵が詰まった特別な存在でもあります。

あわせて読みたい

数年前に作った梅肉エキスは、冷蔵庫の中で大切に保存してきました。お腹の調子が悪い時や、なんとなく身体を整えたい時にほんの少し口にする、わが家のお守りのような存在です。
その瓶の底が見え始めた頃、「今年は作ろう!」と、久しぶりに青梅と向き合うことにしました。

✔︎ 青梅の季節にだけできる手仕事

梅肉エキス作りに欠かせないのは、何よりも「青梅」であること。

梅肉エキスは青梅で作る

実は以前、少し黄色く色づき始めた梅で挑戦したことがありました。
ところが、やわらかくなった果肉は思うようにすりおろせず、うまく作ることができませんでした。

梅肉エキスに使うのは、青々とした若い梅。絶対の条件です。
これを作れるのは、青梅が青梅でいてくれる束の間の季節だけ。
だからこそ、この時季の梅仕事は特別に感じます。

✔︎ 青梅をすりおろし果汁を絞る

用意したのは青梅1kg。
まずは梅をひとつひとつ丁寧にすりおろしていきます。
爽やかな香りに包まれながらの作業ですが、1kgともなるとなかなかの根気仕事。

それでも、この季節にしかできない手仕事。
数年に一度のお守りを作ると思えば、なかなか進まない作業さえ愛おしく感じます。

青梅をすりおろし果汁を絞る

すりおろした梅はガーゼで包み、ぎゅっと絞ります。

すりおろした梅をガーゼで包んでぎゅっと絞る

全部を絞ると、絞りかすと透き通った梅汁に分かれます。

梅汁と搾りかす

梅の酸に負けないよう、煮詰める鍋は琺瑯鍋や土鍋を使います。
昔から受け継がれてきた梅仕事には、道具選びにもちゃんと理由があります。
そんな先人の知恵に感心しながら、昔ながらの手仕事の奥深さを改めて感じます。

✔︎ じっくり煮詰めて小さなひと瓶に

ここからが本番。
弱火でゆっくりと煮詰めながら、ひたすら鍋と向き合います。

梅汁を煮詰めていく

少しでも焦がしてしまえば、それまでの手間も時間も台無しです。
火加減を見ながら木べらを動かし続けること、およそ一時間。

木べらを動かしながら1時間ほど煮詰めていく

さらさらだった梅汁は次第に濃くなり、とろりとした飴色へ。
やがて鍋底が見えるようになったら出来上がりです。
煮沸した小さな瓶に詰めてみると、その量はわずか。

出来上がったわずかな梅肉エキス

青梅1kgから、できるのはたったこれだけ。
わずか20gほどです。

木のへら

暮らしに馴染む小木工


手間と時間と、じっと鍋に向き合う根気の結晶。
季節の恵みがぎゅっと凝縮された、小さなひと瓶です。
そのひと匙を口にした瞬間、思わず顔をしかめるほどの酸っぱさ。
青梅のパワーが一瞬でからだ中を駆け巡ります。

瓶に詰めた後の鍋肌に残ったエキスまで愛おしく大切に。
最後はお湯を注いで溶かし、余すことなく飲み干します。

そして、絞った後の梅のかすは梅ジャムに。
残った種も炊いて、わずかに付いた果肉まで楽しみます。

絞った後の梅のかすは梅ジャムに

使い切ること。無駄なくいただくこと。

手間も時間もかかるけれど、そのひと手間さえ季節を味わう愉しみ。
青梅の旬だからこそできる手仕事。

青梅の旬だからこそできる手仕事

青梅に出会ったら、ぜひ楽しんでみてくださいね。

#梅(5〜6月)

コットンリネンのエプロン

温もりのあるイエローも

6月の読みもの

6月の暮らしや行事を楽しむアイデアや旬の食べ物に関すること(レシピ付き記事も)、7月の準備などの記事をお楽しみください♪

≪ 5月一覧7月 ≫



\ WEEKLY RANKING /

今週の人気商品