kae
連載:ファブリック考
布製品のオーダーメイドブランドmitsuamiを持つクラシライター:kaeさん(Instagram)より、季節の生地、世界の手芸事情や、身近な布切れの活用法などをお届けします。
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日本ではそろそろ衣替え、手持ちのものを整理しつつ新しいお洋服をお迎えしたくなる季節ですね。
そんな気分もあって、先日ワイドパンツを購入したのですが…
笑っちゃうほど丈が長い!
ここまで長いと面白いんだか悲しいんだか、複雑な気持ちではありますが、どうしたってこのままでは使えないので、裾上げします。
ということで、覚えておくと役に立つ1番ベーシックな裾上げの方法をお伝えします。
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【方法】ベーシックな裾上げ|全工程ミシンなしでも◎縫い目の見えにくい“まつり縫い”で
今回ご紹介するのは、縫い目の見えにくい手縫いで裾をまつる方法、いわゆるまつり縫いです。普段着のお洋服だけでなく、学校の制服やスーツのパンツなどの一般的なストレートスラックスに使えるやり方なので、覚えておくといざという時に役立ちます。 途中の工程の端処理ではロックミシンがあると便利ですが、ミシンなしでですべて手縫いで仕上げられる方法もお伝えします。
①パンツを履いた状態で、ちょうど良い長さを見つけピンで1箇所留める。片脚だけで良い。 革靴やヒールなどを合わせることが多い場合は靴を履いた状態のバランスもみておく。
∟誰かにやってもらえるとベストなのですが、 1人でやる場合は1箇所留めたら 鏡で確認しながら少しずつ調整すると良い。
②パンツを脱いで、ピンで留めた余剰分の長さをはかる。
③裾全体を②で測った長さぶん均一に折り上げて、前後左右の4箇所をピンで留める。
∟この時、最初のピンは パンツの内股側と外側にある縫い目から 留め始めると捻じれない。
④もう一度履いて、仕上がりの長さを確かめる。調整が必要な場合は1〜3を繰り返す。
⑤長さが決まったら、ピンを外し、②の長さから縫い代分を引いてカットする。
∟私の場合は、縫い代が3cmだったので、 カットしたい丈の長さ11cmから 縫い代分3cmを引いて、8cmカット。
⑥カットした裾部分にロックミシンまたはジグザグミシンで生地端の処理をする。 ※ご家庭にミシンがなかったり、全て手縫いで仕上げたい場合→裁断の際、縫い代を1cmプラスして、1cm+3cm(元の縫い代分)の三つ折りにしてまつり縫いをすると良い。
⑦縫い代を折り、アイロンをかける。
∟高温でアイロンをかけると テカリが出てしまうこともあるので、 当て布をするか、低温で。 品質表示も確認しましょう。
⑧まつり縫いをする。
∟スタートは内股の縫い代から始め、 1mmすくって、1〜1.5cm進む。
∟黒なので見えにくいということもありますが、 表からは縫い目が目立たない縫い方です。
⑨履いてみて、仕上がりを確認。
∟BEFORE(左)→AFTER(右)
ちょうど良い長さになりました!
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縫い方に慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、シンプルな直し方をひとつ身につけておくだけで、服とのつきあい方が少し変わってくる気がします。
次は自分でやってみようかな?というきっかけになれば嬉しいです。

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5月の暮らしや行事を楽しむアイデアや旬の食べ物に関すること(レシピ付き記事も)、6月の準備などの記事をお楽しみください♪
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連載:ファブリック考(Instagram)
洋裁好きの母と、DIYが趣味の父の影響で、幼少期からモノづくりが好き。産後からは子供服作りに没頭。2019年から、入園入学グッズやエプロンなどのオーダーメイドブランドmitsuamiをスタート。現在はマレーシア在住。趣味は洋裁、海外旅行、布やリボンなどの資材集め、異国料理を食べること。季節の生地、世界の手芸事情や、身近な布切れの活用法などをご紹介します。