Tammy*
連載:季節のしつらい手帖
手のぬくもりが残る暮らしを大切にしているクラシライター:Tammy*さん(Instagram)より、月ごとに楽しむ食べること、暮らすこと、についてお届けします。
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三月になると、食卓にも少しずつ春の色を添えたくなります。やわらかな日差しや、店先に並びはじめる春の食材を見ていると、冬のあいだ静かにしていた気持ちが、ゆっくり動き出すような気がします。
そんな季節に作りたくなるのが、いなり寿司。
油揚げをやさしく煮含め、具材を混ぜた酢飯をふんわり詰めるだけの、どこかほっとする味わいです。仕上げに桜の花や菜の花を添えると、いつものいなり寿司も、少し春の装いになります。
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【レシピ】春の食卓を彩るいなり寿司
《やさしく煮含める油揚げの作り方》
・油揚げ(正方形)8枚 ・出汁 400ml ・砂糖 大さじ 4 ・みりん 大さじ 2 ・醤油 大さじ 2
油揚げは熱湯をかけて油抜きをし、半分に切ります。 鍋に出汁、砂糖、みりん、醤油を入れて火にかけ、油揚げを入れます。 落とし蓋をして弱火で 10分ほど煮て、火を止め、そのまま冷まして味を含ませます。
《具材は自由に、冷蔵庫にあるものを少しずつ》
・高野豆腐、椎茸、蓮根、にんじんなど 適量 ・ちりめん、またはしらす 適量 ・白ごま 適量
具材はすべて細かく刻み、白だし、醤油、砂糖で味付けして炊いておきます。 ちりめんやしらすを加えると、食感のアクセントになり、より味わい深く仕上がります。 温かい酢飯に具材を加えて混ぜます。
具材は、冷蔵庫にあるものを少しずつ合わせるだけでも大丈夫です。 その日の台所にあるもので作れるのも、いなり寿司のうれしいところ。
《いなり寿司の詰め方と形の違い》
具材を混ぜた酢飯を、煮含めた油揚げにふんわりと詰めていきます。 詰めすぎないように、やさしく形を整えるのがポイントです。
酢飯を詰めて口を閉じる、ころんとした定番の形。 詰めたあと上部を折ると、具材の色が見えて少し華やかな仕上がりになります。
さらに、三角に形を整える関西風のいなり寿司を合わせて、同じお皿に盛り付けるのもおすすめです。同じいなり寿司でも、形が変わると印象も少し違って見えるのが、面白いところです。
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桜や菜の花を添えて並べたり、海老などのせると、いなり寿司のお皿が、まるで小さなお花見のようになります。
関西では、いなり寿司を「おいなりさん」と呼ぶことも多く、ころんと並んだ姿を見ていると、とても可愛らしく感じます。誰もが親しみやすく、どんな場面にもそっと寄り添ってくれる、そんな一品です。
形を変えてみたり、上にのせるものを変える事で、いつものいなり寿司も少し違う表情に。
春の色を添えたいなり寿司。
食卓に並べると、季節がまた一歩進んだような気がします。
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連載:季節のしつらい手帖(Instagram)
神戸在住。60代。海のそばで、季節のうつろいを感じながら暮らしています。季節を楽しむおうちごはんを作り、うつわに絵付けをしたり、時を経たうつわを金継ぎしたり。手のぬくもりが残る暮らしを大切にしています。食べること、暮らすこと——その季節に心を遊ばせながら、言葉を紡ぎます。