秋のはじめの、植物版画

更新日:2025.10.07 | 公開日:2025.09.07
真鍋 百萌

連載:くらしの図工室byゆずの木アトリエ
クラシライター:真鍋百萌さん(Instagram)より、「傍らの草木と素材から、心地よく創造する暮らし」のアイデアをお届けします。

 白露の頃、暦の上では秋ですが、まだまだ残暑厳しいですね。
この夏、我々一家5人と2匹(とメダカたくさん)は東京を離れ、山梨の山の麓へ居を移しました。
私も夫も仕事柄大荷物、加えてマイペースな子供たち3人と乗り物酔いをする猫2匹での引っ越しは、まさに大移動でした。
どうにかこうにか、最低限の暮らしも整いつつ、子供たちは地元の学校へ通い始め、こちらでの生活がスタートしました。

色々なハプニングはさておき、何度見ても飽きないのが、山のある景色です。
朝起きて、窓の外を見ると山が、庭の水やりをするにも山、子供たちを見送る後ろに山、スーパーの駐車場からも山と、いつどこにいても背景に青い山が見えることに、毎回びっくりして、感動しています。
長年東京近郊で育って暮らしていた私にとっては、山のある景色はどっしりと落ち着いて見え、雄大な山々に見守られているような不思議な気持ちになります。

山梨の山のある景色 by.真鍋百萌

 自宅の裏に大家さんの畑があります。
トマト、きゅうり、なす、ピーマン、ゴーヤ、かぼちゃ、夏の野菜はそろそろ終わりに近づき、今は梨の木に小ぶりの甘い実がたくさん。
子供たちと一緒に採らせていただきました。
梨の実は、実の上の軸を横に傾けると、力を入れずともきれいにもぐことができます。

畑の横の空地では、夏の花が終わりに近づき、秋のはじめの草がひゅんひゅんと出てきました。
ここは自然のままにしてある場所で、花や草が季節ごとにどんな風にうつろっていくのか、これからじっくり観察していきたいと思っています。

秋の草花、自然 by.真鍋百萌

✔︎ 秋の草花を版画で楽しむ

 9月のはじめの小さなかわいい草たちを、そのまま版画にしてみました。
イネ科の植物は、立ち姿そのまま、かっこいいシルエットです。
色々な質感の草たちを、自由に組み合わせて版画のカードを仕立てて、花を活けるように、壁に掛けておくのもいいです。


【作り方】植物版画|身近な秋の草花で楽しむ季節の手仕事

植物版画|身近な秋の草花で楽しむ季節の手仕事

材料・道具

・植物(比較的しっかりしたものがやりやすいです)
・ポストカード
・版画用絵の具
・ローラー
・絵の具用トレイ(きれいに洗った食品トレイでも)
・ばれん
・古新聞など

植物版画の材料・道具

作り方

1,身近な植物を切ります。
  レイアウトを考えます。

2,トレイに絵の具を少し出し、ローラーを転がして絵の具を満遍なく付けます。
  絵の具が多すぎると綺麗に出ないので、付けすぎないように注意します。

植物版画:ローラーに絵の具をつける

3,新聞紙などの上に植物を置いて、ローラーで絵の具を乗せます。

植物版画:植物にローラーで絵の具をつける

4,ポストカードにそっと置く。

植物版画:絵の具がついた植物をカードにそっと置く

  上から新聞紙などを当て、ばれんで擦ります。

植物版画:ばれんで擦る

5,植物をポストカードからそっと外し、良く乾かします。

植物版画:乾かす

※版画用絵の具は乾くのに時間がかかります。急ぐ場合はドライヤーを当てます。


版画用の絵の具は、版画に適した絵の具で、粘りがあり、ゆっくり乾くのが特徴です。
そのおかげで細かい表情も綺麗に拾ってくれるのです。

版画用絵の具は版画に適しており、粘りがあってゆっくり乾く

画材店やネットショップなどで、気軽な価格から購入できます。
版画にすることで、普段見慣れている植物の造形を改めて感じられます。

まだまだ日中は厳しい暑さが続きそうですが、皆様どうぞお体に気を付けて。
秋のはじまりをゆっくり楽しみましょう。

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