連載:折々の一皿
クラシライター:早織さんより、旬を取り入れた、和の要素を感じられる自宅でのお料理やおもてなしについてお届けします。
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暦の上では立冬を過ぎて、明日からもう小雪。暖かかった今年も寒さがようやく深まり、山の木々がうっすらと色付いてきましたね。
この時期の掻敷に使われる柿の葉も鮮やかに紅葉しはじめました。紅葉といっても、柿の葉は赤だけではなく黄色や橙、緑など一枚の葉の中で何色も混ざり多彩な色合いが楽しめます。
今回の一皿は色鮮やかな秋の柿葉で包んだ柿の葉寿司です。
柿の葉寿司は塩で締めた魚を酢飯と共に柿の葉で包んだ押し寿司です。
柿の葉は防腐殺菌作用があるタンニンを豊富に含んでおり、酢飯を乾燥から防ぐと同時に保存性を高める効果があるといわれています。
今回は塩だけで締めた鯖ではなく砂糖と塩、酢で締めた鯖で作る柿の葉寿司をご紹介します。
【レシピ】しめ鯖の柿の葉寿司|おもてなしにも
*材料*
しめ鯖 鯖:半身1枚 砂糖:適量 塩:適量 酢:適量
酢飯 米:2合 酢:50ml 砂糖:大さじ1と1/2 塩:小さじ1
柿の葉:30枚程
*作り方*
1. 柿の葉は褪色しやすいため塩水に漬けて冷蔵庫で保存しておく。
2. 鯖を捌き、三枚におろす。酢で締める際に酢が入りすぎないようにカマは取らずそのままにしておく。
3. まずは砂糖を両面に身が見えなくなる程まぶして冷蔵庫で1時間置く。
4. 水ですすぎ、しっかり水分を拭き取る。 次は塩を両面に身が見えなくなる程まぶし、冷蔵庫で1時間置く。
5. 再度水ですすぎ、しっかり水分を拭き取る。酢に浸し、冷蔵庫で30分置く。 (時間はお好みで調整してください)
6. 水分を拭き取り、ラップで包みアニサキス対策のため48時間冷凍庫で保存する。
7. 包む前日に寿司酢を合わせておく。酢に砂糖と塩を加えて溶かし、馴染ませる。
8. 冷蔵庫で解凍する。 解凍できたら手で皮を剥ぎカマを切り取り、薄く削ぎ切りにする。
9. お米を炊く。 炊き上がったごはんを寿司桶やボウルに広げ、前日に合わせておいた寿司酢を回しかける。さっと切るように混ぜ、団扇などであおいで冷ます。乾燥しないよう硬く絞った濡れ布巾をかけておく。
10. しっかりすすいで水分を拭いた柿の葉に鯖を乗せ、俵形に握った酢飯を乗せる。茎と葉の先端をくるっと巻き、左右を折り畳み容器に詰めていく。この時にふわっと包むのではなくしっかり巻き込んでぎゅっと包むことで柿の葉の効果が発揮され、保存性が高まる。
11. 配色を考えながら、容器の大きさに合わせて包み、端から詰めていく。一晩置いて馴染ませて、完成。
☆ 一晩寝かせることで塩角がとれ、柿の葉の香りが移り、味わい深くなります。 ☆ 鯖を軽く炙ることでまた違う美味しさも楽しめます。 ☆ 酢飯が固くなってしまった場合は柿の葉で包んだままトースターなどで焼くとふっくらとします。
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色鮮やかで目にも美味しい柿の葉寿司。
保存性にも優れており、手土産にもおすすめです。この時期には紅葉した柿の葉を使いますが、もちろん緑の柿の葉でも作れるので、時期に合わせて作ってみてください。
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連載:折々の一皿
香川県出身、二児の母。英国での一人暮らしを経て改めて和食の魅力を実感。旬を取り入れた、和の要素を感じられる自宅でのお料理やおもてなしについて綴っていきます。