スラッシュキルトのすゝめ

2024.11.05
kae

連載:ファブリック考
布製品のオーダーメイドブランドmitsuamiを持つクラシライター:kaeさんより、季節の生地、世界の手芸事情や、身近な布切れの活用法などをお届けします。

11月となり、立冬ももうすぐ。
冬を迎える前にチャレンジしてみたい手仕事にパッチワークキルトがあります。

パッチワークは小さなはぎれ同士を繋ぎ合わせ1枚の布にする技法。

∟小さな素材も捨てずに活かす、ものを大切にするマインドです。

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キルトは、2枚以上の生地同士の間にワタなどを重ねてステッチで縫い合わせたもののこと。

∟ここ数年人気の韓国の"ヌビ"もキルトですね。

つまりパッチワークキルトとは、パッチワーク(繋ぎ合わせた布)を、キルティング(間にワタを挟んで縫い合わせ)したもののこと。作業工程が多く、なかなか大変な手仕事です。

∟数年前にリネンのパッチワークに
中綿を挟んで作ったキルトのpot mat。
汚れが目立つようになってきましたが、
愛着があり気に入って使っています。

パッチワークキルトといえば昔、母が手縫いで座布団カバーを作っていたことを思いだします。数ヶ月かけてゆっくり、小さなピースを繋げて形になっていく光景を、物語のなかのような、ひと針ひと針魔法をかけているような、不思議な気分で眺めていました。完成品は、暖かみがあって可愛くて、その後15年以上実家のリビングに馴染んでいました。

そんな思い出もあり、キルトのクッションカバーやベッドカバーなどを目にすると、「やってみようかな」と思うのですが、チャチャッと短時間で完成させてしまいたい性格の私は、いつも小物で精一杯。

そんなわたしが最近興味をもったキルティング技法が、スラッシュキルトです。
ドイツ発祥のキルティング技法で、何枚か布を重ねて縫い合わせ、1番下以外の布をカットして起毛させたキルトのこと。
一味違ったパッチワークキルトを一緒に作ってみませんか?

 


【作り方】はぎれを活かすスラッシュキルト




材料・道具

・同じサイズに揃えた生地3枚(色や柄は違う方が面白い)
∟今回は25×45cmの布を3枚用意しました。作っていく間に縮んだり歪んだりするので、作りたいものより一回り大きいサイズを用意するといいです。

・はぎれなどの小さい布

・切れ味の良いクラフトハサミ



作り方

① サイズを揃えた布を3枚重ねておく


② その上に小さなはぎれをバランスを見て並べる


③ ずれないようにまち針で留める


④ ガイド用に対角線を引く


⑤ 線の上をミシンで縫う


⑥ 対角線を基準に5-7mm間隔で端までひたすら縫っていく

∟まず対角線を縫ったら、
対角線から左半分を角まで縫い、
縫い終わったら布を回転させ、
また対角線から端に向かって縫っていく。

⑦ 1番下の布を残して、ミシン線の間を切っていく。

∟刃先が細く、切れ味の良いハサミが必須。
専用のカッターもあるようです(欲しい…)

⑧ ネットに入れて洗濯機で洗う(20分ほどの短いコースで良い)


⑨ 洗濯が終わったら、干して…スラッシュキルトの完成!

before↓

after↓


ふわふわに毛羽立ち、立体感が出て、洗う前とは違った表情になりました!

 

 

溜め込みがちな小さなはぎれも、スラッシュキルトなら有効に、且つ大胆に活用することができ、形を揃える面倒な作業もなくそのまま使えるので、パッチワークキルトのなかでもいちばんハードルは低いかもしれません。

洗濯後の色の見え方の変化や、小さなはぎれをそのままの形で使える手軽さ…色柄を変えていくつも作ってみたくなります。

このまま飾ったりするのもかわいいかなぁと思うのですが、せっかくなので何かに変身させたいです。
何を作るかは…次回(11月19日)のお楽しみに!(こちらから

 

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