連載:折々の一皿
クラシライター:早織さんより、旬を取り入れた、和の要素を感じられる自宅でのお料理やおもてなしについてお届けします。
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寒露を迎えてようやく暑さが和らぎ、我が家の食事も秋の気配を感じる献立が多くなってきました。
年中食べられる真鯛ですが、旬を迎える時期をご存知でしょうか?春が旬の印象がありますが、実は秋にも旬を迎えます。春に旬を迎えるものを桜鯛、秋に脂が乗って美味しくなるものを紅葉鯛と呼びます。
海老や蟹などの赤い色素がたっぷりの餌を食べた鯛は紅葉のように赤みを帯びた鱗になり、それが同じく秋に見頃を迎える紅葉に例えられ、紅葉鯛と呼ばれるのだそう。
今回の一皿は紅葉鯛の和風アクアパッツァです。
アクアパッツァは本来オリーブオイルで炒めた魚介類を水で煮込んだナポリの郷土料理です。今回はオリーブオイルではなく胡麻油、白ワインではなく日本酒、そしてお出汁を使って仕上げたものをご紹介します。
【レシピ】紅葉鯛の和風アクアパッツァ|おもてなしにも
*材料*
鯛:1尾 あさり:170g ボイル帆立:100g ミニトマト:10個 玉ねぎ:½個 ねぎ:1本 生姜:一片 にんにく:一片 胡麻油:大さじ2 日本酒:大さじ2 出汁:200ml 薬味:お好きなものを適量 (魚介類は種類や量をお好みで調節してください。)
*作り方*
1. 鯛の鱗、内臓とエラを取り、流水でよく洗い、キッチンペーパーで水分を取る。酒洗いをし、薄塩をしてしばらく置く。
2. 鯛を焼き、こんがりと焼き色をつける。 フライパンの場合は盛り付ける時に上にしたい面を先に焼き、グリルの場合は上にしたい面を上にして焼くことで美しい焼き目をつけることができます。 日本料理では姿のままの魚は頭が左を向くように、腹が手前を向くように盛り付けるのが基本です。
3. 魚がそのまま入るサイズの鍋またはフライパンに胡麻油を入れ、弱火でにんにくを炒めて香りを出す。
4. 香りが出たらにんにくを取り出す。 (お好きな方は入れたままでも良い)
5. 薄切りにした玉ねぎとねぎ、ミニトマトを入れ炒める。しんなりしたら鯛、帆立、あさりを入れる。
6. 日本酒と出汁を注ぎ強火でさっとアルコールを飛ばしたら、蓋をして弱目の中火で煮る。
7. 鯛に火が通り、あさりの殻が開いたら火を止める。
8. お皿に盛り付け、お好みの薬味をあしらい完成。 今回は白髪葱と木の芽、酢橘を合わせました。
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残った汁にはしっかりと魚介類の出汁が出ていて美味しいです。我が家では塩と少しのお醤油で味を整えてスパゲティやリゾットに。これがすごく好きで、いつも多めに具材を残しています。
まるごと一尾を使うと旨みがたっぷりと出てお味も良く、食卓も華やぎます。おもてなしにもいかがでしょうか。
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10月の暮らしや行事を楽しむアイデアや旬の食べ物に関すること(レシピ付き記事も)、11月の準備などの記事をお楽しみください♪
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折々の一皿
レシピ
作り方
紅葉鯛
和風アクアパッツァ
連載:折々の一皿
香川県出身、二児の母。英国での一人暮らしを経て改めて和食の魅力を実感。旬を取り入れた、和の要素を感じられる自宅でのお料理やおもてなしについて綴っていきます。