神無月の暮らしごと〜土地とともに、暮らしをこさえる〜

更新日:2026.10.15 | 公開日:2026.10.15
Tammy*

連載:季節のしつらい手帖
手のぬくもりが残る暮らしを大切にしているクラシライター:Tammy*さん(Instagram)より、月ごとに楽しむ食べること、暮らすこと、についてお届けします。

今年も、町に秋祭りの気配が広がり、太鼓の音が響き始めました。
あぁ、今年もこの季節がやってきたんだなぁと、なんだか心が弾みます。

祭り最終日に出る御座船

∟ 祭り最終日に出る御座船

そんな秋の風景の中で、ふと「暮らす」ということについて考えてみました。

あわせて読みたい

✔︎ 暮らしの原点は、家ではなく土にある

暮らしを考えるとき、私たちはまず、どんな家に住もうか、どんな住まいにしようかと、家のことから考え始めるような気がします。
けれど、年齢を重ねるにつれ、暮らしの原点は「家」ではなく、その家が建つ「土」にあるのではないかと思うようになりました。

その土地ならではの気候や風土、食べ物、長い時間をかけて育まれてきた文化。
私たちは、家の中だけで暮らしているわけではないのだと気づきます。

暮らしの原点を考える

✔︎ 「身土不二ということ」

「身土不二(しんどふじ)」

人の身体と、その人が暮らす土地は切り離せないという考え方があります。
本来は食と土地との関わりを語るときによく使われる言葉ですが、私はこの言葉を、暮らしの中でも感じています。

土地とともに暮らす楽しみ

子どもたちが身近な海の恵みに触れ、その恵みを食卓へ。
そんな日々の中にも、土地とともに暮らす楽しみがあります。

同じ土地に暮らす人たちは、たとえ顔も名前も知らなくても、
同じ空を見上げ、同じ風を感じ、
同じ季節の旬のものをいただき、
同じイントネーションで言葉を交わす。

深いお付き合いがなくても、知らず知らずのうちに、同じ土地の季節や時間を分かち合っているのだと思います。

✔︎ 町に響く、秋祭りの太鼓

そんな土地とのつながりを、ひときわ強く感じるのが秋祭り。
太鼓の音が響き渡ると、普段はそれぞれの場所で暮らしている人たちが、どこからともなく集まってきます。
この日のために仕事の休みを取り、準備を重ねていきます。

布団太鼓を囲む男衆(おとこし)さんたち

夜明け前には、いつも車が行き交う国道を止めて、神事が執り行われます。
まだ薄暗い空の下、布団太鼓を囲む男衆(おとこし)さんたち。
そして、その様子を見守る町の人たち。いつもの町が、年に一度、特別な表情を見せる時間です。

いつもの町が、年に一度、特別な表情を見せる秋祭り

太鼓の音を聞くと、なぜだか胸の奥がざわざわして、血が騒ぐような気持ちにもなります。
昔から受け継がれてきた土地の営みが、今もこうして続いている。
その風景の中に自分もいることが、なんだか嬉しくなるのです。

✔︎ 土地とともに、暮らしをこさえる

その土地で採れた旬のものをいただいたり、いつもの道で季節の移ろいを見つけたり、祭りの太鼓に耳を傾けたり。
そんな何気ない日々の中にも、この土地で暮らす楽しみがたくさんあります。

暮らしをこさえるということは、家の中を整えることだけではなく、その土地の風土を知り、季節を感じ、そこに流れる時間を大切にすることでもあるのかもしれません。

小さな気づきを重ねながら、これからも自分らしい暮らしをこさえていきたいと思います。

【365】 完全天日塩

太陽と職人の力の結晶

10月の読みもの

10月の暮らしや行事を楽しむアイデアや旬の食材を味わうレシピ、11月を迎える準備にまつわる記事をお楽しみください。

≪ 9月 | 一覧 | 11月 ≫



\ WEEKLY RANKING /

今週の人気商品