葛のつるで編む、素朴なかご〜丈夫で長く使える自然素材の道具〜

公開日:2026.03.01
真鍋 百萌

連載:くらしの図工室byゆずの木アトリエ
日々のごはんを作るように、暮らしのものを作ったり、直したり。クラシライター:真鍋百萌さん(@momo12160627)より、「自然のものから暮らしのもの作り」のアイデアをお届けします。

 畑の梅が満開です。
真冬の-6℃を経験して、草木は小さくなって耐えていましたが、オオイヌノフグリやホトケノザが一番に畑を覆い始めて、土に色が戻ってきました。
少しずつ、暖かさを感じる日も増えてきて、春の気配を感じています。

春の気配を感じる畑

✔︎ 冬の終わりに始まる葛のつる採集

 東京に住んでいた去年まで、この季節の恒例の手仕事だったのが、葛のつるを採集してのかご編みです。
葛は旺盛に伸びるつる植物で、北海道から九州まで、日当たりのいい場所で育ちます。
あまりにも大きくなるので、建物や電柱を覆ってしまうほどの勢いがあります。
そして空地など、街中でも見かける植物です。

夏の間は、葛や草木がもりもりと茂り、踏み入るのも大変な近くの河原。
この時期はすっきりと落ち着き、つるの採集にはぴったりです。

葛や草木がもりもり茂った夏の河原

✔︎ かご編みに適した葛つるの選び方

 山梨に越してきて初めて、この場所で、葛のつるを採集してみることにしました。
ここ塩山でも、また同じ季節に自然の恵みをいただき、同じ手仕事ができることを嬉しく感じています。

まずは、使わせてもらうことを葛に挨拶してから、なるべく太さの同じつるを選んで、採ります。
(ご自身で採集する場合は、採っても良い場所かどうか、確認をしてから採集してください)

冬の河原で葛を採集する

採集のポイント、それは木に絡まって上に伸びるつるではなく、地面に這うようにまっすぐに伸びた、ランナーというつるを選ぶことです。
枝分かれや曲がりが少なく、編み易いです。
そして、しっかり木質化したしなやかなつるを選ぶこと。

採集した葛つる

∟ 採れた葛つる

✔︎ 葛つるを道具へと育てる

 採取した葛は、一度お湯に潜らせてから、室内の風通しの良い場所で、ひと月以上乾燥させてから編みます
葛のつるを編むのは、実は簡単ではありません。
強くて、太くて、癖がある。
きれいに整えようとすると、簡単に葛に負けてしまいます。
しっかりとしていて、おおらかで、力強い葛の個性を生かしながら、つるに合わせてかごにしていくと、この時期の春のはじめの風景のような、とても魅力的なかごになります。

葛のつるの個性に合わせてかごを編んでいく

✔︎ 丈夫で長く使える葛のかご

そして、出来上がったかごは、とっても丈夫です。
私は太いつるで編んだ、特大のかごを、りんごや花梨を入れる果物入れにしています。
細めのつるを選んで編んだかごは、瓶や小道具を入れるかごとして。
その、素朴な佇まいがいいなと感じています。

太いつるで編んだかご、細いつるで編んだかご
あわせてチェック

 来月には、リビングの窓からすぐ傍の、畑の桜も咲きそうです。
葛のかごを持って、畑でお花見もいいなと密かに計画しています。
春のはじまりに、自然のお裾分けをいただいて、暮らしの道具を作る。
小さな豊かさを感じています。

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