連載:くらしつづり
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梅雨の晴れ間の眩しいほどの太陽で庭の草木がぐんぐんと葉を広げ成長しています。
大きく育ったバジルを見ると作りたくなるのがトロフィエ・アル・ペスト。
トロフィエはイタリアのリグーリア州で古くから作られている手打ちのショートパスタです。擦るという言葉が名前の由来と言われていて、細く伸ばした生地を台に擦りつけながらねじって形を作ります。
そしてリグーリア州の州都ジェノバはバジルの産地として有名で、バジルを使ったペスト・ジェノベーゼ(バジルのペースト)の発祥の地でもあります。
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手打ちショートパスタのトロフィエ、それからじゃがいもといんげんを、ペスト・ジェノベーゼで和えたものがトロフィエ・アル・ペスト、この地の郷土料理です。
今回はこの伝統的な組み合わせに帆立を加えてごちそう感をアップさせた一皿をご紹介します。
まずはトロフィエとペスト・ジェノベーゼのそれぞれの作り方から。
【レシピ】トロフィエ|リグーリア伝統の自家製ショートパスタ
材料(2人分)
・準強力粉、または中力粉 100g ・水 50cc ・塩 ひとつまみ
作り方
1. 作業台に粉をドーナツ状になるように広げる。
中のくぼみに水を注ぎ塩を加え溶かす。さらに周りの粉を少しずつ混ぜ合わせる。
水分が流れ出ないぐらいになったら全体を合わせてスケッパーでまとめる。
2. 表面がなめらかになるまで5〜10分捏ねる。
3. ラップで包んで30分ほど休ませる。
4. 生地を4等分にして、直径1cmの太さまで細長く伸ばす。( 40cmぐらいの長さになる。)1cm幅に切り分け、転がして4cmの長さに伸ばす。
5. 手のひらを生地の右端に手刀の形で斜めにあて、台を擦るように左下にスライドさせてねじれを作る。(右手の場合)
またはスケッパーやヘラなどで同じように形を作る。
6. 打ち粉(あればセモリナ粉)を振ったバットなどに並べる。
メモ
・粉について。写真のイタリア産のパスタ用の粉は輸入食材を多く扱うスーパーで購入しました。グルテン量が近い準強力粉や中力粉でも同じようにお作りいただけます。 また細挽きのデュラムセモリナ粉を20〜50%加えると手離れが良くなり、歯切れの良い食感になります。
・トロフィエの成形の仕方は検索するとプロの方の動画などが見つかりますのでご参考にしてください。
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【レシピ】ペスト・ジェノベーゼ|香り高いバジルペースト
材料(2人分)
・バジルの葉 30g 茎は取り除く ・松の実 15g ・にんにく 1/2片 ・オリーブオイル 60cc ・パルミジャーノ・レッジャーノ 30g すりおろす ・塩 小さじ1/4
作り方
材料をかたいものから乳鉢ですり潰します。またはミキサーやフードプロセッサーでなめらかにします。
メモ
このバジルのペースト、厳密にはジェノバ産のバジルを使ったものだけがペスト・アッラ・ジェノベーゼ、またはペスト・ジェノベーゼと名乗ることができ、一般的なバジルのペーストはペストと呼ばれています。 多めに作って冷凍しておくと便利です。
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【レシピ】 帆立入りトロフィエ・アル・ペスト|フレッシュなバジルで味わう手打ちパスタ
材料(2人分)
・じゃがいも 大1個 メークインがおすすめ ・いんげん 8本 ・帆立の貝柱 6〜8個 ・白ワイン 大さじ3 ・トロフィエ 打ち粉をはたいておく ・ペスト・ジェノベーゼ ・オリーブオイル ・塩こしょう 適宜
作り方
1. じゃがいもは8mmの半月切り、またはいちょう切りにする。いんげんは4cmの長さに切る。
2. 帆立をオリーブオイルでソテーする。軽く塩こしょうする。白ワインを回しかけアルコール分を飛ばしたら水分が残っている状態で火を止める。
3. 沸騰したお湯に塩を入れ、じゃがいもが柔らかくなるまで3分ほど茹でる。いんげん、トロフィエを加える。鍋底につかないようにすぐにかき混ぜる。
4.トロフィエが浮いてきたら1分ほど待ってザルにあげる。茹で汁は少し取っておく。
5.大きめのボウルにペスト・ジェノベーゼを入れて2の帆立とその水分、3を加えて良く混ぜる。混ざりにくければ茹で汁を少し加えてゆるめる。味をみて塩こしょうする。お好みで追加のチーズやオリーブオイルをかけても。
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魚介の旨みと爽やかなバジルの香りが食欲をそそります。蒸し暑いこの時期にぴったりのパスタです。
お試しいただけたら嬉しいです。
#パスタ / #バジル(5〜10月)/ #帆立:ホタテ(夏場5〜8月、冬場12〜3月)/ #いんげん(6〜9月)

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連載:くらしつづり(Instagram)
食いしん坊が高じて、コルドン・ブルーとリッツ・エスコフィエでフランス料理を学び、JSA認定シニアソムリエも取得。数年前まで自宅でフランス家庭料理の教室を行っていました。