連載:くらしつづり
インスタグラムでは日々のお弁当を紹介されているクラシライター:おべんとうつづりさんより、ここでしか見られない「くらし」 のひとこまをお届けします。
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夏になるとよく作る冷製パスタ。
今回は我が家で出番の多い3種類のパスタソースをご紹介します。
まずはその前に、わたしが冷製パスタを作るときにこだわっている“パスタ”のことも。
・パスタの太さについて
レストランで冷製パスタと言えば、カペッリーニが使われていることが多いと思います。
カペッリーニは太さ1mm以下の極細パスタでソースとの絡み具合や喉越しの良さが魅力なのですが、家庭である程度の量を作ってゆっくり食べていると細いがゆえに伸びきってしまうことがあるので、私はこれよりも少し太い1.4mmのフェデリーニを使うようにしています。
・パスタの種類について
乾燥パスタは生地を穴の空いた金型から押し出して作るのですが、その金型(ダイス)には伝統的なブロンズ(青銅)製のものと耐久性のあるテフロン製のものがあります。
(ブロンズダイス製法は手間とコストがかかるため、メーカーは差別化をはかってパッケージにtrafilata al bronzoと表記していることが多いです。テフロンダイスの元祖はBarillaです。)
一般的にブロンズダイスのパスタは金型の摩擦によって表面がざらざらとしているためソースが絡みやすく、テフロンダイスのものはツルツルとしているためソースを吸収しにくく、伸びにくいと言われています。
私が冷製パスタを作るときには、その喉ごし、歯応え、伸びにくさからテフロンダイスのパスタを使うようにしています。
・パスタの茹で方について
パスタは温かいものを作る時よりも塩分多めのお湯で表示された茹で時間より1分長く茹でます。
氷水で急冷して、すぐにざるにあげてペーパータオルなどで水分をしっかり取ります。
用意しておいたソースに絡めて、冷やしておいたお皿に盛り付けます。
召し上がる直前、パスタに冷やしておいた具材の水分だけを加えて味を整えます。それから残りの具材をサッと混ぜる、もしくはのせるようにします。
お皿を冷やしておくことも忘れずに。
プチトマトと鯛の冷製パスタ
冷製パスタの代表格、トマトを使ったパスタです。
材料(2人分)
プチトマト 20粒 鯛 100g 白ワイン 大さじ1 ホワイトバルサミコ 大さじ2 オリーブオイル 大さじ4 塩こしょう 適量 ディル 適量
作り方
1.鯛はひとくち大に切り、塩と白ワインで30分〜マリネする。
2.プチトマトは湯むきして上下半分に切り、種を取る。ホワイトバルサミコ、オリーブオイル、塩こしょうを加えて冷やす。
3.パスタ160gを茹でたものと鯛、トマト、ディルを和える。
〈 メモ 〉 ・鯛の代わりに平目などの白身のお魚や帆立などでも作っていただけます。 ・魚貝はトマトやパスタと和えた時に味がぼやけないようにしっかりと塩味をつけておきます。
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桃と生ハムの冷製パスタ
季節のフルーツを使ったパスタです。
材料(2人分)
桃 1個 いちじくでも 生ハム 50g ホワイトバルサミコ 大さじ2 オリーブオイル 大さじ4 にんにくのすりおろし 少量(お好みで) 塩こしょう
作り方
1.ナイフを桃の種に当たるまで入れて、ぐるりと1周切り込みを入れる。両手で桃を掴んでひねり半分にして種を外す。
くし切りにして皮をむきボウルに入れる。ひとくち大にした生ハムも加える。 ホワイトバルサミコ、オリーブオイル、にんにくのすりおろし、こしょうを入れて冷やしておく。
2.パスタ100g分と和える。ハーブを添える。
〈 メモ 〉 ・桃の水分が出過ぎないようにマリネする時には塩を加えません。 ・ほんの少し香りをつける程度ににんにくを加えるとアクセントになり、食欲がそそられます。 ・いちじくでも同じように作っていただけます。
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ビシソワーズの冷製パスタ
前菜としてクリーミーな冷製パスタです。
材料(2人分)
メークイン 200g 皮をむき5mm幅の薄切り ポロネギ 100g 薄切り バター 20g 水 300g 牛乳 200g 生クリーム 100g 塩こしょう 適量 ランプフィッシュキャビア、いくらの塩漬け、スモークサーモンなど 適量 サワークリーム 適量 ハーブ 適量
作り方
1.鍋にバターとポロネギを入れて炒める。塩をひとつまみ入れる。しんなりしたらじゃがいもを加えて焦げないように炒める。じゃがいもの表面が透き通ってきたら水を入れて野菜に火が通るまで煮る。
粗熱が取れたらミキサーにかけてなめらかにする。冷めたら牛乳と生クリームを加えて味を整える。
2.パスタ60gとビシソワーズを適量和えて盛り付け、サワークリーム、魚卵、ハーブをのせる。
〈 メモ 〉 ・今回はおもてなし風にランプフィッシュキャビアをのせてみましたが、いくらの塩漬けやスモークサーモン、カリカリに焼いたベーコンなども合います。
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ご参考にしていただければ幸いです。
連載:くらしつづり
食いしん坊が高じて、コルドン・ブルーとリッツ・エスコフィエでフランス料理を学び、JSA認定シニアソムリエも取得。数年前まで自宅でフランス家庭料理の教室を行っていました。