茉莉花のおはなし


連載:シチシチムジクイ 島の暮らし
西表島在住のクラシライター:nijisuzumeさん(Instagram)より、自然の移り変わりや植物のサイクルに合わせたものづくり〈シチシチムジクイ〉をお届けします。
梅雨が明けて夏が近づき、茉莉花(マツリカ)の愛らしい白い花がふんわりと香る季節となりました。我が家の庭でも、あちこちで茉莉花が咲き始めています。

ジャスミンの一種である茉莉花ですが、「ジャスミン」とは、モクセイ科ソケイ属に属する常緑低木の総称で、ハゴロモジャスミン、シルクジャスミン、アラビアンジャスミンなど、数百もの種類があるそうです。
ちなみに、この茉莉花はジャスミンの中でも「アラビアンジャスミン」と呼ばれています。また、島で生垣としてよく使われている月橘(ゲッキツ)は、「シルクジャスミン」としても知られています。
茉莉花で香り付けして作られたお茶が、さんぴん茶です。沖縄では、緑茶や麦茶よりも広く親しまれており、とても一般的なお茶です。そういえば昔、近所のおばあの家に遊びに行くと、さんぴん茶と黒糖でもてなしてくれたものでした。
南国沖縄では、爽やかなジャスミンの香りを移した清々しいお茶が、暑い気候によく合うため、きっと長く愛されてきたのでしょう。

家の近くの商店にも、茉莉花茶(ジャスミン茶)の茶葉の缶が並んでいました。

さんぴん茶を作る際には、最も香りが強くなる蕾の状態で茉莉花の花を摘み、茶葉に香りを移すそうです。その話を聞いて、私も蕾のうちに茉莉花を収穫してみました。けれども、すでに蕾が開いた花であっても、フレッシュハーブティーにするのであれば十分。爽やかで良い香りのお茶になります。

庭をぐるりと一周して、茉莉花、フーチバ(ヨモギ)、バタフライピー、サトウキビを収穫し、お湯を注げば、爽やかな香りのフレッシュハーブティーが出来上がります。梅雨が明けたばかりの蒸し暑い季節には、ジャスミンの清々しい香りがぴったりです。

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