竹を割って、毎日のお箸を作る

更新日:2025.07.03 | 公開日:2025.06.01
真鍋 百萌

連載:くらしの図工室byゆずの木アトリエ
日々のごはんを作るように、暮らしのものを作ったり、直したり。クラシライター:真鍋百萌さん(Instagram)より、「自然のものから暮らしのもの作り」のアイデアをお届けします。

 爽やかな季節が過ぎるのは、なんてあっという間なのだろうと思います。
ピクニックや大物のお洗濯、あれもこれもやっておけば良かったと、過ぎてから思い出しますが、植物や生き物たちにとっては、これからやってくる暑い夏に備える大切な梅雨の時期がはじまります。
庭の草木は待ってましたとばかりに勢い旺盛になりました。
アナベルのつぼみが付いて、今年はたくさんの花を咲かせてくれそうです。
庭にやってくる鳥の落とし物から生えてきた山椒も、立派に成長しています。
人間も少しずつ暑さに慣れて、体力をつける時間にしなければ。

 時間を少し遡って、去年の年末のことです。
造園の仕事をしている友人から、商業施設のエントランス用に門松を作ると聞きました。
お正月の期間が終わった後、その立派な青竹は毎年処分しているのだとか。
もったいないけれど、と。

竹は様々な用途に使える優れた素材です。
私の家では、家族の日々のお箸、菜箸、お弁当用の箸、へら、様々なカトラリーを作って使っています。
必要になると、近くの竹屋さんで竹を購入している私は興味津々です。
不要になったものへ、新たな用途が生まれる、そんなことができたら楽しいなぁと常々思っているのです。

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そんな話の流れから、ありがたいことに、役目を終えたこの青竹を譲っていただけることになりました。
快く分けてくれた友人へ、心より感謝の気持ちです。

なるべく日光を避けて保管しておいたので、6月になった今も、青々と美しい状態のままです。
ちょうど子供たちのお箸を新しくしようと考えていたところだったので、この竹を使って作ることにしました。

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クラフト用の竹の収穫は、水分の少ない冬の間にしますが、青々とした竹のお箸は涼しげで、夏に向かう今の季節にぴったりです。
材木屋さんに行くと、去年の冬に切った竹を置いていますので、お箸を作りたいと相談してみてください。
最近は小売りをしてくださるところも多いです。
また竹はホームセンターでも求めることもできますよ。


【作り方】竹から作るお箸|青竹で楽しむ初夏の手仕事

材料と道具

・竹(真竹または孟宗竹)
・鉈
・のこぎり
・トンカチ
・クラフトナイフ
・豆カンナ(あれば便利)
・自作の箸作り用押え型(無くても大丈夫)

作り方

1、筒形の竹を、箸の長さにのこぎりで切ります。
長さは、女性用で21.5cm、男性用で23cmを目安に、手持ちのお気に入りのお箸に合わせてください。
今回は小学生の子供用に18㎝で作りました。

2,竹を1cmほどの幅で鉈で割ります。
割りたいところに鉈を当て、トンカチをトーントーンと重力に任せて落とすイメージです。
これを1膳分、2本用意します。

3,クラフトナイフを使ってかい先に向かって細くなるように削ります。
豆カンナがあれば同じように使えます。

ポイント
箸の先、かい先は2本の箸を合わせた時に、隙間が大きすぎないようにします。
掴みやすい箸になります。
今回は子供用なので、危なくないように細すぎず、太すぎないかい先、手に当たる部分は角を落として柔らかくしました。

4,箸の形ができたら、紙やすりで整えます。
荒い80番から順に、120番、240番、と細かいやすりに変えながら仕上げます。

指先で全体を撫でてみて、なめらかになれば完成です。


門松だったお箸、なんだかとっても縁起が良さそうです。
息子が苦手な青菜も、美味しくしてくれるかもしれません。

竹は水に強く丈夫です。
日本中で育ち、勢いよく次々にのびるので、邪魔者にされることもありますが、もともとは食器はもちろん、建材や籠など、日本人の暮らしに無くてはならない素材でした。
環境のためにも、気持ちよく使える素材としても、竹には、まだまだたくさんの可能性がありそうです。
身近な竹を、見直してみませんか。
去年青竹で作った竹のへらも、使ううちに良い味わいが出てきました。

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