思い出の布を額装して楽しむ


連載:ファブリック考
布製品のオーダーメイドブランドmitsuamiを持つクラシライター:kaeさん(Instagram)より、季節の生地、世界の手芸事情や、身近な布切れの活用法などをお届けします。
旅行中、旅の思い出に買う定番のお土産ってありますか?
我が家では、茶器などの食器や、アンティークの小物などもよく購入しますが、布収集が趣味のわたしが外せないもの、といえばその地域ならではの刺繍や、染めなどが施された布作品です。

∟ベトナムの民族衣装に使われていた
刺繍の施された古布(中央)。
スリランカの木彫りの守り神と
色合いが似ているので
一緒に飾っています(左右)。
その土地や民族をよく表しているもの、20年後、50年後には失われてしまうかもしれないもの、人の気配が残る手仕事かどうかが、お土産を選ぶ際のポイント。
布類なら持ち帰る時に壊れる心配もなく、嵩張らないのでついあれもこれも、と財布の紐が緩んでしまいます。
旅先で手に入れた布土産は、帰国したら額装屋さんに持って行きます。それぞれの作品にしっくりくる額を選んでオーダーメイドで額装してもらいます。
自分好みのスペシャルな状態で飾ることができるのは、とても贅沢なこと。旅行から何年経っても、旅の思い出と共にいつも心が満たされます。

∟タイ、黒モン族の刺繍布の
額装オーダー中の一コマ。
こんなふうにマット(白い厚紙)と、
フレーム(黒)を作品に当てて、
仕上がりをイメージしていきます。
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こういった額装は、地域の額縁屋さんや、大手画材店などでオーダーすることができます。
知識がないと難しそうと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
なんせ相手はプロなので、おまかせしておけば美しく仕上げてくれます。
額装オーダーをする際、最低限頭に入れておけばいい用語は、①額縁(フレーム)、②マット、③表面カバーの3点です。
それぞれ説明します。
①額縁(フレーム)

フレームのデザインは、彫りのある手の込んだものからシンプルなものまで、デザインや枠の太さによって値段が変わります。
大きな油絵のような作品だと、フレームもそれなりのものにしないと安っぽく見えてしまいますが、手仕事の布作品であれば、シンプルな方が作品が映えるので、作品にフレームを当ててみてどれが合うか見極めます。
②マット
マットとは、ガラスと作品の間に挟む厚紙のこと。

∟スリランカ、ゾウのバティック。
作品自体のサイズが小さいので、
マットもフレームも黒で合わせ、
作品が大きく見えるようにしています。
もっと小さな作品の場合は
マットの幅を広めにするのが好き。
マットがあることで、作品とガラスが直接触れるのを防ぎます。とくに刺繍作品などの場合は、作品の表面に凹凸があるので、その繊細な表情を潰すことなく保存することができるのもメリット。
それと、個人的にはマットがあることでワンランク上のアートに見せることができるような気がして、必ずしも必要でない場合も、マットをつけることが多いです。
③表面カバー
作品を保護してくれる表面カバーには一般的なガラスのほかにも、アクリル板という選択肢もあります。
アクリル板は機能面が充実していて、反射を軽減してくれるノンリフレクション板や、紫外線から守ってくれるUVカット板などもあります。
例えば日差しの強い窓際に飾りたい場合はUVカット板を。
ライトの当て方が調整できなかったり、反射が気になるような場合は、ノンリフレクション板を選ぶといいです。
わたしは部屋の雰囲気を変えたい時に、作品を重ねてしまっておいたり、引越しなどで移動させることも多いので、傷のつきにくいガラス板を選ぶことが多いです。

∟ラオスのリバースアップリケ。
色合いが似ている2枚を一緒に額装しました。
大きめの作品なら、
壁にかけるだけではなく
カジュアルに床置きするのも好き。
旅の思い出のアートは、家に人を招いた時の話題にもなるので、リビングやダイニングエリアを中心に飾っています。
年々、目に見える形で思い出が増えていくので、人生の年輪を重ねていくようで満足感があります。
次の旅行先ではぜひ、布のお土産、探してみてくださいね。
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