古材を使ってフックボードを作る

2024.11.03
真鍋 百萌

連載:くらしの図工室byゆずの木アトリエ
日々のごはんを作るように、暮らしのものを作ったり、直したり。クラシライター:真鍋百萌さんより、「自然のものから暮らしのもの作り」のアイデアをお届けします。

ようやく関東でも涼しい風が吹いて、家族の上着はどこだと慌てて引っ張り出して朝晩を過ごすようになりました。
一回り大きくなった子供の成長をしみじみ感じる間もなく、秋は行事やすべきとこもたくさんあって、季節の移り変わりを横目で眺めている霜降の日々です。

先日、重い腰を上げて、暑い間ほったらかしにしていた庭の手入れや片付けをしていたら、庭の片隅の材木置き場に、懐かしいパイン材の長い板を見つけました。
今の自宅へ引っ越してくる前に住んでいた、古い平屋の庭のフェンスにしていた板でした。
そこは小さいけれどよく日の当たる庭で、フェンスの向こうには大家さんの広い畑が望めました。
夏には朝顔やひまわりがよく似合っていたことを思い出します。

フェンスは、地面に杭を打って、このパイン材の板を横に渡しただけの簡単な作りでした。
ウッドステイン(塗装剤)を塗ってはいたものの、長年の雨風にさらされていい風合いに劣化していたのを引っ越しで解体し、いつか何かに使おうと思ってとっておいたのでした。
無垢の木は、ホームセンターなどで買ってすぐは製材したて、つるりんと綺麗な木目と質感です。
これはこれで気持ちがいいですが、使い込んでいくうちに時を経た良い風合いになるのが、無垢の木のいいところです。


丁寧にやすりをかけて、痛んだところは切ったり削ったりして自家製蜜蝋ワックスを塗り込めば、つやつやと見違えるほど美しい板になります。
これにコートや帽子をかけるフックをいくつか取り付けて、フックボードにすることにしました。


探してみると、フックの種類もたくさんあって楽しいですよ。
今回はアンティーク調のブロンズ色のダブルフック、そして1年前から始めた陶芸で作った陶器のフックを取り付けました。


板の種類にもよりますが、柔らかいパイン材や、杉板でしたら、電動ドライバー、無ければ手動のドライバーでネジ打ちします。
固い木の場合は、電動ドリルまたはキリなどで、あらかじめ細い下穴を空けておきます。
ネジの長さはボードにする板の裏から飛び出さないように、ただし短すぎると強度が足りないので、ちょうどよい長さを選びます。
また、ドライバーの+の部分のピッチが、ネジのピッチとしっかり嚙み合っていることを確認します。
ここが合わないとしっかり留まらなかったり、ネジ頭を舐めてしまう原因になります。


フックの種類や間隔は、掛けるものに合わせて決めます。
わずか1時間あれば出来てしまうほど、とても簡単に完成です。

今回作ったフックボード、ある程度短い間隔でフックをたくさん付けました。
何を掛けるかといいますと、


ドライの植物です。
今月30日のワークショップ「自然に還る森のクリスマスリース作り」では、アトリエ庭で大切に育てた草木、集めた木の実、頂いた剪定枝、そんな身近な素材から自然な雰囲気のリースを作ります。
たくさんのドライの植物たちを保管するためのフックボードでした。
これからたくさん掛けられそうです。
皆様と植物に触れる時間を楽しみにしています。

こんな風に、自分や家族の必要なものを、好きなようにデザインして作れるのが、手仕事のいいところです。
そしてそれが、一度は役目を終えた思い出のものを、もう一度素敵に生まれ変わらせることができたら、なんて楽しくて嬉しいのだろうと思うのです。

 

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