秋のはじまり どんぐりクッキー

2024.09.15
真鍋 百萌

連載:くらしの図工室byゆずの木アトリエ
日々のごはんを作るように、暮らしのものを作ったり、直したり。クラシライター:真鍋百萌さんより、「自然のものから暮らしのもの作り」のアイデアをお届けします。

 9月を迎えても、まだまだ残暑が厳しいですが、夕方になると草むらから虫の声が以前より賑やかに聴こえて、秋が始まったことを感じます。
庭では、春に小さな赤ちゃんだったカマキリくんが、立派な大人になって庭を守ってくれています。
イネ科の草は穂を高く伸ばして、種を飛ばす準備です。
暑くて手入れが先延ばしになっていた、大きな木の剪定も、ゆっくり進めていこうと思います。


 まだ暑いこの時期ですが、一番最初に茶色に色付くどんぐりが「マテバシイ」です。
特徴は、ぷっくり太った、大きくツヤツヤの殻と、小さな帽子、葉も同じくツヤツヤと丸長の形です。
公園や団地などに植栽されることが多いので、街に住んでいても、子どものころ拾ったりした覚えがありませんか。

8月半ばのころの、まだ緑色のマテバシイ


この「マテバシイ」のどんぐりは、灰汁が少なく、美味しく食べることができるのです。
毎年9月に色付いたマテバシイが落ちてくるのを、今か今かと狙っています。
落ちてから時間が経ってしまうと、どんぐりが腐ってしまったり、虫さんに先を越されてしまったりするのです。
この時期は雨が多いので、降る前に収穫したいと、いつものどんぐりポイントを周ります。
今日は落ちているかな。

落ちてきたら、次から次へと落ちてきます。
どんぐりのシーズンは意外と短く待ってくれません。
大急ぎで拾いましょう。


マテバシイは、殻のまま炒って、割って、そのまま食べることも出来ますが、一番のおすすめはどんぐりクッキーです。
私の作り方は、どんぐりの粉と小麦粉をだいたい半分ずつにします。
そして、どんぐりの粉はふるいにかけて、細かいものを使います。
どんぐりは固いので、ここだけはしっかりと!
誰でも食べやすく、どんぐりの香ばしさも味わうことができます。
きっちり計る必要はなく、拾ったどんぐりに合わせて作ってみてください。
私のようにアバウトでも十分美味しくできますよ。

 


どんぐりクッキーの作り方



材料

a・マテバシイのどんぐりの中身  150g
a ・薄力粉      150g
a・塩        6つまみ

・菜種油       大匙6
・砂糖        60g
・豆乳         少々



下準備

拾ったどんぐりは、洗ってボウルに浸し、浮かぶものは虫食いや痛みの可能性があるので避ける。
残りを日に当てて乾かす。

 



作り方

1,乾かしたどんぐりを、フライパンで殻にヒビが入るまで15分ほど炒る。
殻にツヤツヤと油が出てきます。


2,ペンチなどで殻を割り、中身を出します。


3,どんぐりの中身をミキサーやフードプロセッサーにかけて粉にする。


念入りに細かくし、さらに最後にふるいにかけて、細かく落ちた粉をどんぐり粉として使う。

4,aを手で混ぜておく。そこへ菜種油を少しずつ加え、手でぐるぐる混ぜてまとめ、生地にする。
まとめにくい場合は豆乳を少しずつ足す。

5,4cmほどに丸く平らにクッキーの形を作り、オーブンシートを敷いた天板に並べ、180℃のオーブンで15~20分焼く。

 

 

 去年は、アトリエのこども図工室で、どんぐりを拾うところからどんぐりクッキーを作りました。
チョコやレーズンを入れたクッキーも作って、とても美味しく、楽しい時間でした。
どんぐりは子どもたちの身近にあって、ただ拾ってもうれしく、おもちゃを作って遊んだり、染色したり、美味しく食べることもできます。 

 大人になっても変わらず、普段何気なく過ごしていると気が付かないけれど、身近な自然に小さなわくわくや美しさがあることを発見すると、感動します。
9月以降、「マテバシイ」が落ちた後は、「クヌギ」(クヌギでの染色については昨年の読みもの“あたたかな生成り色、どんぐり染め”に書いています)、「シラカシ」など、他のどんぐりも落ちはじめ、植物は実りと種の季節です。

 

9月の読みもの

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