完熟パパイヤのおはなし
連載:シチシチムジクイ 島の暮らし
西表島在住のクラシライター:nijisuzumeさんより、自然の移り変わりや植物のサイクルに合わせたものづくり〈シチシチムジクイ〉をお届けします。
庭に生えている五本のパパイヤの木が、競うかのように一斉に実をつけ始めています。これまで青いパパイヤを収穫しては、パパイヤチャンプルー、ソムタム、スパイスカレー、漬物と様々な形で料理して消費してきたのですが、さすがに追いつかなくなってきました。
青パパイヤを収穫できずにいると、木の下の方の実から順番に、次々とパパイヤが黄色く色づいてゆき、黄色くなり柔らかく熟した完熟パパイヤは、鳥たちの格好の餌食となります。
✔︎ 青パパイヤのおはなし
そんな黄色く色づいた完熟パパイヤは、フルーツパパイヤとして食べても美味しいので、鳥たちに負けじと、黄色く熟したものを見つけ次第 収穫します。
収穫した完熟パパイヤは、丸のままではなかなか手が伸びないので、カットしてシークワーサーを軽く絞って蓋付ガラスの容器に入れて冷やしておきます。カットフルーツにしておくと食べやすいので、新鮮で美味しいうちに、あっという間に食べ切ってしまいます。
冷蔵庫にあったグレープフルーツジュースにカットしておいていたパパイヤを数個加えてハンドミキサーにかけると、さっぱりとした甘さと程よい酸味が美味しい、ゴクゴク飲める美味しいフルーツパパイヤジュースが出来上がりました。
カットした完熟パパイヤに対して、ひたひたの分量の豆乳と、お好みの量の蜂蜜を加えて、ハンドミキサーにかけると、クリーミーで程よく甘い、フルーツパパイヤスムージーの出来上がり。
あと二ヶ月ほどすると、沖縄には台風シーズンが到来します。大型の台風が直撃すると、幹の柔らかいパパイヤの木はポッキリと簡単に折れてしまいます。それを見越してのことでしょうか。今とばかりに鈴なりに実をつけるパパイヤの木は、子孫を残そうと懸命なようにも見えます。なので、完熟パパイヤを頂いた後は必ず、その黒くて丸い粒々の種たちを、畑のあちらこちらに蒔くようにしています。
種を蒔いたところからは、すでに小さな芽がたくさん顔を覗かせています。もしも台風でパパイヤの木が倒れたとしても、この小さな芽たちの内のいくつかは強風にも耐えて生き残り、大きく育ち、またいつかパパイヤの実をつけ、生命を繋いでゆくのでしょう。
しなやかで逞しい自然の力には、いつも畏敬の念を抱かずにはいられません。
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