青パパイヤのおはなし
連載:シチシチムジクイ 島の暮らし
西表島在住のクラシライター:nijisuzumeさんより、自然の移り変わりや植物のサイクルに合わせたものづくり〈シチシチムジクイ〉をお届けします。
我が家の庭の畑には、現在パパイヤの木が5本生えています。けれども、どれも自分たちで植えたものではありません。きっと鳥たちによって運ばれてきたのでしょう。嬉しいことに、気づいたら畑の片隅で芽を出して自然に育っていたのです。それらは見つけ次第、日当たりの良い広々とした場所に植え替えてやります。というのも、パパイヤの木は日陰だとあまり育たず、日向を好む植物であり、また背丈が2m以上にもなり、大きな木に成長するためです。
そのパパイヤの木にいくつも実がなり始め、下の方のパパイヤの実が、大きく膨らんできました。
パパイヤには、オレンジ色に熟した実を果物として食べるのに向く、細長い形をしたフルーツパパイヤと、熟してもあまり甘くはならず料理に使う、楕円形の形の青パパイヤがあります。うちの庭の畑で育っているのは、5本とも青パパイヤです。
パパイヤの実を青パパイヤの状態で、1番良い採り頃に収穫することは案外難しいです。それは、未熟であっても採り頃であっても、外側の見た目の色が変わらず、同じ緑色だからです。大きさで判断しようと思っても、小さい大きさのまま熟れたりもするので、判断に迷います。採り頃を過ぎると、パパイヤの実はオレンジ色になり、柔らかくなります。オレンジ色に熟してももちろん食べることはできますし、かえって甘い味になったりもするのですが、青パパイヤとして料理に使いたい時には、オレンジ色に熟れてしまう前に採る必要があります。
収穫した青パパイヤを半分に割り、中身の種の色が黒かったら、1番良い時期に収穫できたと言って良いでしょう。もちろん中身の種が白い場合でも、同じように青パパイヤとして食べることはできるのですが、その場合は少し青臭さが残ります。種の色が黒い時の青パパイヤは、香りも歯触りも1番良い状態です。
半分に割って皮をむいた青パパイヤは、沖縄ではどの家庭にも常備されている、シリシリーと呼ばれる調理器具で細切りにします。
シリシリーした青パパイヤは、炒めてパパイヤチャンプルーにしたり、スパイスカレーの具にしたり、生のままソムタムと呼ばれる青パパイヤのサラダにしたりします。
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南国の味、青パパイヤのソムタム。沖縄以外ではお目にかかることは少なく、なかなか手に入りづらい食材ではありますが、もし手に入った時にはぜひ作ってみて下さいね。