イカの墨煮

2024.03.28

連載:くらしつづり
インスタグラムでは日々のお弁当を紹介されているクラシライター:おべんとうつづりさんより、ここでしか見られない「くらし」 のひとこまをお届けします。

冬の終わりから春先にかけて、出会うことを楽しみにしている食材のひとつがスミイカ(コウイカ)です。

東京のスーパーではあまり見かけることがありませんが、品数豊富な鮮魚店やデパ地下などでは時々墨にまみれた姿で売られています。


スミイカ(コウイカ)は柔らかく甘みがありお刺身にすると格別ですが、私のお目当てはその名にも付く墨の方です。

スルメイカやヤリイカなどの筒状のイカに比べると倍量以上のねっとりと濃厚で風味豊かな墨を蓄えています。

この墨と産卵前の大きく肉厚になったスミイカを香味野菜のベースとトマトで煮た墨煮は食べ応えがあり、この季節ならではの楽しみなのです。

スペイン風なのか、イタリア風なのか、長年あれこれ試しているうちに我流になってしまったレシピですが、ご紹介したいと思います。


いかの墨煮

スミイカ(コウイカ) 2〜3杯 1kg
玉ねぎ 3/4個 160gぐらい
にんじん 1/2本 80gぐらい
セロリ 1/2本 80gぐらい
にんにく 1片
カットトマト缶 1缶
白ワイン 1/2カップ
水 1カップ
ローリエ 1枚
オリーブオイル 適量
塩こしょう 適量
レモン 適量


1.スミイカは甲羅の表皮に縦に切り込みを入れて甲羅を引き抜く。残った内側の薄い膜にも包丁を入れて1枚に切り開く。

脚を頭の方に持ち上げながら、ハサミなどを使って内臓を剥がし取る。

内臓から墨袋と肝だけを取り出す。白ワイン大さじ1をふりかけ潰して、粗めのザルで濾す。

脚の部分は目とくちばし、その周りの固いところを取り除く。吸盤と先端部分もハサミで切り取る。


2.イカの身は皮をむき、エンペラや固いところは切り取って短冊切りにする。脚は粗く刻んでおく。


3.鍋に多めのオリーブオイルを入れて、みじん切りにした野菜をあめ色になるまで炒める。


途中鍋にこびりつき始めたら、塩を少し加え水分を出しながら1/4ぐらいの量まで炒め煮にする。


4.スミイカを加えて炒め、白ワインを入れてアルコール分を飛ばす。

トマトを加えて酸味を飛ばすように炒めて、水とイカ墨と肝、ローリエを入れて20〜30分ほど煮込む。

塩こしょうで味を整える。

 

この墨煮は野菜によってとろみがつくのでディップのようにパンにのせたり、ご飯にかけても美味しいです。写真は春にんじんをたっぷり入れたピラフを添えたもの。


パスタに和える時には、お好みで唐辛子を加えても。


リゾットやパエリアにもアレンジできます。


スミイカを見つけたら、ぜひお試しになってみてくださいね。

 

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