ゆずの種で作る化粧水

2024.01.07
真鍋 百萌

連載:くらしの図工室byゆずの木アトリエ
日々のごはんを作るように、暮らしのものを作ったり、直したり。クラシライター:真鍋百萌さんより、「自然のものから暮らしのもの作り」のアイデアをお届けします。

 2024年が始まりました。
元旦の日に起きた能登半島地震で、被災された方、家族や友人が悲しみの中にいる方を思う年始です。
そして、山や海に囲まれた日本に住むということは、自然のすばらしい美しい面も、一瞬で生活を奪われる脅威も、同時に感じなければならないのだと、改めて感じています。

今年も一年、季節を感じながら手仕事ができることを感謝して、日々を大切に過ごしていきたいと思います。
去年は、一層深刻になっている世界中で起こる、環境や気候の問題、人権、戦争のことをより多く考える年でした。

私にできることの一つとして、手に入る身近なもの、自然のもの、不要になったものから、暮らしのものや暮らしを豊かにするものを作ることを、今年も皆様に発信していきます。

良いと分かっていても、すべてを生活に取り入れることは難しいですし、我が家も「今日のお昼は疲れたから、カップラーメンにしよう」なんて日もあります。
「丁寧な暮らし」ではなくても、自分や家族、そして身近な人と環境が「心地よくまわる暮らし」をまずは目指していきたいです。


 自宅の庭にある、大きなゆずの木は、毎年冬に綺麗な黄色い実がたくさんなります。
去年は暖かかったので、黄色く熟すのがゆっくりでしたが、大きく立派なゆずが実りました。
何度かに分けて収穫し、ご近所のお世話になった方へ配るのが恒例行事です。
我が家では、果汁をゆずポン酢に、皮はゆずピールに、種は化粧水にして、余すところなくゆずを使います。
この時期の水仕事は冷たいけれど、自宅で収穫したものを使い切ると、とても充実した気持ちになります。


特に化粧水は、ゆずの種に含まれる「ペクチン」によって、とろっと保湿効果のある冬の時期にぴったりのものができます。
とても簡単なので、もしもゆずがいくつか手に入ったら、種を洗って乾かしてとっておき、ジャム瓶一つほどになったら作ってみてください。

 


【作り方】ゆずの種の化粧水|ペクチンの力でとろっとしっとり



材料と道具
・ゆずの種
・ホワイトリカーまたは焼酎
・ガラス瓶

作り方

1,ゆずの種を軽く洗い、ゆずの砂のう(果肉のつぶ)を落とします。広げて干しておきます。
洗いすぎると、大切なペクチンが落ちてしまうので、ほどほどにします。


2,煮沸消毒して乾かしたガラス瓶にゆずの種を詰めて、ホワイトリカーまたは焼酎をいっぱいまで注ぎます。


3,3日から1週間ほど、漬け込みます。とろみがついたら出来上がりです。

4,使うときは、倍量以上の精製水で薄めて使います。一度薄めたものは、冷蔵庫で保管し、3週間ほどで使い切ります。

※化粧水の原液は保管状況が良ければ1年ほど保存できます。空気になるべく触れないようにできるだけ小さな瓶に保存するのと、清潔なスプーンで使う分だけ取り分けるのが良いです。
※使う前に必ずパッチテストをして、お肌に合うかどうか試してみてください。

 

 自分で作ると、必要最低限の材料で安心安全な化粧水が作れます。
そしてとってもお安くできるので、惜しみなく使えるのも良いところです。
他にも、夏には庭のどくだみの花で化粧水を作ります。
秋には、仕込んでおいた枇杷の葉チンキとみつろうで、保湿用のボディークリームを。
いつも季節に合わせて、またその時の肌に合わせて楽しめる自家製のものでスキンケアをしています。
好きな香りのエッセンシャルオイルをブレンドしたり、お気に入りの瓶に入れて使うのも楽しいのです。

 2024年も、どうぞよろしくお願いします。

 

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