火鉢のある暮らし〜昔ながらの暖を囲む、炭火が灯す冬の時間〜

更新日:2025.11.02 | 公開日:2025.10.29
ミナ

連載:日々を味わう暮らしかた
ミナさん(Instagram)より、身近な自然を取り入れたシンプルな暮らしのアイデアをお届けします。

この令和の時代に火鉢かよ!!!という日本全国からのツッコミを全身で受け止める所存で、今日は火鉢について書きたいと思います。

皆さん火鉢はご存知ですか?見たことありますか?使ったことありますか?おそらく、実際に火鉢として使用されている方や、使用されているところを見た方は少ないのではないかなあと思います。電気やガスの普及ですっかり姿を消しましたが、実は火鉢、一昔前昭和の世代では、一般的な暖房器具だったそうです。

昭和の世代では、一般的な暖房器具だった火鉢

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✔︎ 火鉢との出会いとそのメリット

築60年の我が家は隙間が多く、隙間風も吹き込んできます。昔の家は気密性断熱性に乏しいので、エアコンや電気ストーブとの相性もバッド。我が家には薪ストーブがありますが、肌寒い気温の日には暑すぎる。ちょこっと暖をとるものを探していた矢先、地域の「不用品あげます」コーナーで出会ったのがこちらの火鉢でした。

地域の「不用品あげます」コーナーで出会ったのがこちらの火鉢

火鉢のメリットはなんといっても炭の遠赤外線。顔は涼しいのに、体の芯からポカポカ暖まりますし、火鉢で沸かしたお湯は口当たりも柔らかく格別です。朝食のパンを炙ったり、おもちを焼いたりもできます。

✔︎ 火鉢の使い方と安全に楽しむコツ

使い方は簡単、炭をおこして入れるだけ…ですが、安全に楽しむコツがいくつかあるのでご紹介します。

使う炭はバーベキュー用の木炭はNG。なら炭や備長炭を使います。煙が出ないので室内でも使えます。火おこし器の中に炭を入れて、コンロでおこすのが一般的です。最近のガスコンロは安全装置が発動し、自動で火が消えてしまうこともあるので、コンロを使う際は「高火力用」のコンロを使いましょう。大抵のガスコンロのひとつは高火力対応になっています。

火鉢の灰を少し掘ってくぼみを作り、おこした炭を並べます。この時、次に使う炭を起こした炭の周りに置いておきます。買ってきた炭には意外と水分が含まれているもの。水分を含んだ炭はハゼやすく、ハゼた火花が畳や布に着地して火事になるケースが火鉢の火災では一番多いそうです。こうして炭を温めて乾かしておくことで安全に使えます。

次の出番をまつ炭

< 次の出番をまつ炭 >

一酸化中毒防止のため、換気もマメに行います。特に最近の住宅は高機密高断熱設計なので、1時間に1回の換気をお勧めします。隙間だらけの我が家では、そんなに必要ないのですが笑

出かける時は火消し壺に炭を入れて鎮火しましょう。夜寝る時は、しっかり灰をかぶせて、上に水を入れたやかんをかけておきます。こうすることで、翌朝まで炭が持ち、もし地震が起きても、上にかけたやかんが倒れて火が消える仕組みです。

火鉢は、灰をかぶせることで燃焼がゆるやかに

< 灰をかぶせることで燃焼がゆるやかに >

✔︎ 火鉢がくれた出会い

ナラ炭は近所のお米屋さんで買っています。創業昭和25年のこのお店、もとは炭屋さんだったそう。おん年90歳のご店主さんが、炭について、当時の暮らしについて色々聞かせてくださいます。カシやサクラの炭。昔の豆炭のお話。ご店主さんとのおしゃべりが、炭を買いに行く楽しみです。

ナラ炭を買う近所のお米屋さんのご主人

<おん年90歳のご主人。今も毎日お店に立たれている。>

もうすっかり、時代に置いていかれてしまった火鉢。暮らしの中に迎えてみたら、心も体もあたたまる、中々イカした奴でした。

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