愛着と共に楽しむ台所道具の手入れ
年齢が上がるにつれて、これまではあまり気にならなかった体の不調や体力の衰えを感じるようになりました。まだ「ちょっとした不調」のうちに、睡眠や食事を意識して過ごしてみると大したことにはならずに済むような気がしています。気持ちよく暮らすためのメンテナンスは、人間にも道具にも同じく必要だと思っています。上手に長く付き合っていくためには、「調子はどう?」と道具に向き合い尋ねる時間があるといい。
しょっちゅうはできないけれど、使っていて気持ちよさが薄れてきた?と思い始めたときにはお手入れをすることにしています。
✔︎ カサカサキッチンツールにはオイルを

木でできていて無塗装の道具には、油を染み込ませた布を使ってうるおいを与えていきます。私は春に作っているよもぎオイルを使用しています。オリーブ油や太白ごま油などを試したことがありますが、香りが気にならないものであれば普段使いしている油で大丈夫。さっと塗り込んだ後に余分な油分を別布で拭き取ってみると、かさかさで白く毛羽立ちが見える砂漠状態の木肌がしっとりと潤ってつやつやです。

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✔︎ 茶渋や焦げつきは重曹を使って
毎朝お茶を沸かして飲むのが日課な我が家は鉄瓶でお湯を沸かしたり、ミルクパンで好きな飲み物を作ったりします。ミルクパンは、もはやもともとこの色だったかのように茶渋やら焦げやらが目立つ見た目になっていました。キッチンの写真を何気なく撮っていたとき、その汚れをレンズ越しに見てとても驚きました。
なんて汚れているの、このまま使っていてなんともないのかしら…と。ここまで放置しても気にならない時は心に余裕がない時なのかもしれませんね。

こちらは、重曹をお湯に溶かしてミルクパンを漬けていきます。
しばらく放置した後、茶渋部分をスポンジでこするとするりときれいに落ちました。

手入れを怠っていたステンレス鍋も一緒にお手入れ。
ちょっと頑固そうな焦げ付きだったので、大鍋に重曹入りのお湯を沸かしてその中に鍋を入れて20分ほどグツグツ煮ることにしました。途中で鍋の向きを変えながら20分煮る、を2回繰り返してみるとなんとも爽快。ピカピカお鍋に変身していました。壁にかけて鍋裏を見ていたくなるくらいすっきりです。気持ちよさが戻ってくると使っているこちらも道具に触れる手を通してプラスのエネルギーを注いでもらっている感覚がしてきますね。

付き合いが長くなればなるほど、道具に年季が入っていくのは仕方がないことです。でも、古い=汚い、ではないなあと思うのです。汚れが取れつやが戻った道具を使っていると何とも気持ちがよく料理のやる気もぐんと上がっていきます。道具への愛着は、こうした手入れを通してどんどん膨らんでいくもの。台所の第一線で同じ時間を過ごしていく大切な道具たち。今度はもう少し早くお手入れするね、と心の中で話しかけてみました。
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
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