シャンプージンジャーのおはなし


連載:シチシチムジクイ 島の暮らし
西表島在住のクラシライター:nijisuzumeさん(Instagram)より、自然の移り変わりや植物のサイクルに合わせたものづくり〈シチシチムジクイ〉をお届けします。
誰にもらったのかすっかり忘れてしまったほど、だいぶ前にもらってきて、庭に植えてあったシャンプージンジャー。ショウガ科に属する熱帯の植物である、こちらのシャンプージンジャーがちょうど今の季節、松ぼっくりのような形の巨大な真っ赤な花をたくさん咲かせています。

シャンプージンジャーの花穂は最初は緑色なのですが、熟すと赤く色づき、その中からは透明でとろみのある液があふれ出ます。この液は髪や肌にやさしいとされ、ハワイでは「アワプヒ」と呼ばれ、香りがよく保湿効果もあるとされ、古くから天然のシャンプーやリンスとして利用されてきたそうです。

観賞用としても人気のあるシャンプージンジャー。我が家でも もっぱら切り花として飾るばかりでしたが、髪や身体を洗うこともできると知り、せっかくたくさん庭に生えているのだからと、試してみることにしました。

シャンプージンジャーの花穂を手で握ってギュッと絞ってみると、軽く絞っただけで一度に驚くほどたくさん、とろみのある香りの良い液体を搾り出すことができました。
髪を洗うのを試してみる時に、分量が足りないと困るので、今回はシャンプージンジャーの花穂を3つほど絞り、400ccくらいのシャンプージンジャーの液体を用意しました。

お風呂で頭を洗う時に実際に試してみると‥
とろみのある液体なので、問題なく髪に馴染んで洗髪することができ、しかもジンジャーリリーの香りによく似たとても良い香りでした。洗い上がりも保湿効果があるとされているだけあって、コンディショナーを使わずともしっとりとまとまり、ほのかにジンジャーの香りが残りました。
ただし泡は立ちません。普段から私は泡の立たないクレイで洗髪しているので、シャンプージンジャーで髪を洗うことに違和感を感じませんでしたが、泡立つシャンプーをご利用の方には物足りない感触となるかもしれないなと思いました。

南国の島暮らし。庭にふんだんにシャンプージンジャーのある環境で暮らすことができているのだから、もっとこういった植物を暮らしの中で生かしていきたいなと思いました。
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