ユキノシタのお化粧水

私が野草やハーブでのスキンケアを本格的に始めたのは3年ほど前のこと。日焼け止めやメイクアップ用品以外は自作しています。
20代からエステサロンに勤めていたので、人一倍コスメは大好き。美容も大好き。皮膚や化粧品成分の研究にも余念がありませんでした。好きが高じて化粧品成分検定上級スペシャリストの資格もとりました。
美容皮膚科にいたこともあり、医療機関でしか扱えないような高機能成分も色々試し、自他ともに認める美容フリーク。そんな私がなぜ野草やハーブを使ったケアを始めたのか…それは、植物の持つ力に魅せられたからでした。
✔︎ 薬草を使ったスキンケアの魅力
庭のある家に越して、ドクダミやヨモギ、オオバコなどの足元の草たちについて調べ始めると、ほとんどが昔から使われている「薬草」だと知りました。最初はおっかなびっくり薬草を採取。干したり、煎じたり、アルコールに漬けてチンキにしたり。使ってみると、高機能成分の配合された化粧品にもひけをとらない使用感。サプリも飲まなくなりました。
皆さんユキノシタはご存知でしょうか。ちょっと古いお家の庭には必ず生えているこの植物、これも薬草の一種です。

<ミョウガの下に生えるユキノシタ>
生薬名は「虎耳草」といって、名前の通り虎の耳に似た丸い形をしています。木の下や日陰の湿ったところを好み、一年中丸い葉をつけています。春の始めに咲く小さな白い花は、その楚々とした佇まいから、茶花として愛されてきました。

<虎の耳のようなまるい形>
✔︎ ユキノシタの効能と化粧品での活用
昔は必ず井戸の周りに植えられていたというこのユキノシタ、期待されている効果は利尿や鎮痛です。切り傷や耳垂れ、中耳炎に昔から民間療法として使われていたそうです。

<乳鉢で潰して汁をとるところ>
このユキノシタから抽出したユキノシタエキスは、美白やアンチエイジングを目的に化粧品に配合される人気の成分です。特に紫外線ダメージへの作用が期待されています。
ユキノシタを使ったスキンケアでおすすめなのがチンキを使ったお化粧水。春先に庭から摘んだユキノシタを乾燥させ、刻んでウォッカに漬けて2〜4週間、ユキノシタチンキの出来上がり。

<ユキノシタチンキ>
フィルターで濾して、日の当たらない涼しいところに保存しておきましょう。このチンキを精製水やミネラルウォーターで1:5で薄めると完成です。

<アンティークのお薬瓶に入れたユキノシタ化粧水>
濃度はお肌に合わせて調整してください。必ず冷蔵庫で保管し、2週間を目安に使い切りましょう。使用前のパッチテストも忘れずに。二の腕の内側に少量をつけ、アレルギー反応が出ないかチェックします。
手作り化粧品は保存料等が含まれないので肌に優しい、と思われる方が多いのですが、植物の成分がそのまま入っているのでなかなかパワフルだったりします。手作り化粧品に限らずですが、異変を感じたらすぐ使用を辞めるのも大切。
使いきれなかったチンキはお風呂に入れて入浴剤に。無駄なく楽しめます。
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