連載:くらしつづり
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フランス料理のメニューで時折、パートフィロやパートブリック、パートカダイフで巻いた、もしくは包んだという料理名を目にすることがあります。
これらはそれぞれ地中海沿岸の国々が発祥の小麦と水を主原料にした薄紙や細麵状の生地のことですが、西洋料理、とりわけフランス料理に取り入れられるようになって日本でも知られるようになりました。
具材と共に揚げたり焼いたりするとパリパリとした食感が楽しめて、使い方次第で見た目を華やかにすることもできるため、料理にもデザートにも活用されています。
日本ではどれも冷凍で売られていて、輸入食材を多く扱うスーパーやオンラインショップでも見つけることができます。
この中で一番扱いやすく、家庭でも取り入れやすいのがパートブリックです。
パートブリックは地中海に面した北アフリカのチュニジアからフランスに伝わったもので、本国ではブリックという伝統的な料理に使われます。
直径30cmぐらいの円形の生地で春巻きの皮よりも薄くしなやかです。
今回はこのパートブリックを使った華やかな前菜と季節のいちごを使った簡単なデザートをご紹介します。
【レシピ】海老と帆立のオモニエール|パートブリックで仕上げる華やかな前菜
オモニエールとはフランス語で巾着袋という意味。 その名の通り薄い生地で具材を巾着のように包んだ料理やデザートのことを言います。
材料
海老 4尾 帆立貝のむき身 4〜8個 そら豆 12粒 塩茹でする グリーンピース 30g 塩茹でする 玉ねぎ 1/4個 みじん切り 白ワイン 50cc パン粉 大さじ3 ケッパー 大さじ1 みじん切り 白ワイン 50cc バター 20g パート・ブリック 4枚 溶かしバター 20g
作り方
1.フライパンにパン粉を広げきつね色になるまで乾煎りする。取り出しておく。玉ねぎのみじん切りをオイルでしんなりするまで炒めておく。
2.きれいにしたフライパンにオリーブオイルを熱して、帆立と海老を入れて表面を焼き固める。
3.バターを加えて、下茹でしたそら豆とグリーンピース、玉ねぎを加えてさっと炒める。白ワインを加えてアルコール分を飛ばす。
4.水分がなくなってきたらケッパーのみじん切りとパン粉を加えてさっと混ぜる。塩こしょうで味を調える。取り出して冷ましておく。
5.パート・ブリックに溶かしバターを刷毛で薄く塗る。4の具材を中央にのせ、巾着のように包み楊枝やたこ糸を使って口を閉じる。
6.170°Cのオーブンできつね色になるまで15~20分焼く。焼けたら楊枝やたこ糸をそっと取り除く。
メモ
パートブリックは1枚ごとに紙が挟まれていて、台に広げるとすぐに解凍されます。 乾燥すると扱い辛くなるので、使う分だけその都度冷凍庫から出すようにします。
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【レシピ】いちごとヨーグルトクリームのパートブリック包み
材料
パートブリック2枚 溶かしバター 10g いちご 4粒〜 大きいものは半分に切る ( クリーム ) ヨーグルト 200g 生クリーム 100g グラニュー糖 大さじ1.5〜2
( ソース ) いちご 4粒(100gぐらい) 刻む グラニュー糖 大さじ2 レモン汁少々
作り方
1.ヨーグルトはキッチンペーパーやガーゼを敷いたざるで半分の重さになるまで水分を切る。
2.パートブリックは8cmの帯状に切る。バターを薄く塗って棒状のもの(耐熱)に緩く巻きつけ、巻き終わりを下にしてクッキングペーパーを敷いた天板に置く。
3.170〜180℃のオーブンで10〜15分焼く。粗熱が取れたら棒から外して冷ます。
4.深めの耐熱の器に粗く刻んだいちご、グラニュー糖とレモン汁を入れて混ぜ、ラップをふんわりかぶせて電子レンジで2〜3分加熱する。途中で様子を見ながらかき混ぜて、とろみがついたら温かいうちに裏濾す。
5.グラニュー糖を入れた生クリームを6分立てして、水切りヨーグルトを加え混ぜる。絞り袋に入れる。
6.パートブリックの筒の中にヨーグルトクリームといちごを詰めて、ソースを添える。
メモ
筒状のパートブリックはポテトサラダやワカモレのようなものを詰めてフィンガーフードにしても楽しいです。
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パートブリックを使った料理やデザートは立体的な盛り付けができるので食卓を華やかにしてくれます。おもてなしにもぴったりです。
ぜひいろいろとアレンジしてみてください。

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レシピ
作り方
パートブリック
海老と帆立のオモニエール
いちごとヨーグルトクリームのパートブリック包み
連載:くらしつづり(Instagram)
食いしん坊が高じて、コルドン・ブルーとリッツ・エスコフィエでフランス料理を学び、JSA認定シニアソムリエも取得。数年前まで自宅でフランス家庭料理の教室を行っていました。