「中里家、米麹を作る」の巻

2024.07.22
中里早紀子

連載:里山暮らし日々是好日
クラシライター:中里早紀子さんが自然や季節とともに移ろう田舎での里山暮らしの中で見つけたものたちをお届けします。

皆さま、こんにちは。梅雨明け宣言も出始め、夏本番の蒸し暑さとなってきましたね。
畑も尋常ではない暑さで、野菜も私たちも油断すると一気に溶けてしまいそうです。そんな夏の体調管理に欠かせない中里家の定番は「甘酒」。冷たいものを取りすぎないようにと気をつける時期でもあるのですが、これだけはきーんと冷やしておやつ代わりにいただきます。

甘酒自体は、米麹に、炊いた米(冷やご飯でもOK)と水を加え、ヨーグルトメーカーで簡単に作ることができます。

この材料となる「米麹」を、例年はご近所で200年ほど続く麹屋さんで買わせていただくのですが、今年は「米麹」を手作りしてみることに。

ちなみに、こちらの麹屋さんには味噌作り、醤油麹&塩麹作り、、などなど、ありとあらゆる中里家の麹生活で大変お世話になっているのです。(そんな歴史ある麹屋さんがご近所にある有り難さよ...。)

米麹作り、実は去年もチャレンジしたのですが、どうもうまくいかず再チャレンジの夏なのでございます。

いざ!!

 


中里家の米麹作り

① まずは、お米を洗い10時間浸水


余談ですが、こちらは去年うちで栽培・収穫をしたお米。手前味噌ですが、本当に美味しい!仲間と共に初夏に手植え、夏の間に手で除草をし、秋に手刈り、稲架(はざ)かけ、脱穀、唐箕(とうみ)がけ、をした愛おしいお米なのです。愛着のある分、美味しさも100倍ってことですね。農薬や化学肥料は使っておらず、自分たちで食べる分だけを栽培しています。(米作りはまだまだひよっこで、今年の作付け分は早くも問題に直面しております、汗)


② その後ざるにあげ2-3時間しっかり水を切り、蒸し器で1時間蒸します


③ 人肌より少し熱いくらいの温度に冷ましたら麹菌(種麹)を3、4回に分けて振り入れながら軽く混ぜ合わせます


④ 布巾で包み、その上からタオルでふんわり包み保温発酵器へ


⑤ ここからは温度と時間を設定して、発酵させていきます

まずは、35度で22時間
次は30度で5時間
もう一度30度で、今度は6時間
最後に30度で13時間ほど....

各温度・時間設定のインターバルには米をほぐすように軽く混ぜ合わせ、また布巾とタオルでふんわりと包み発酵器へ戻します。


途中経過はこんな感じ。米の周りが菌糸で見た目がふかふかしてきたのが分かります。菌のもつ力って不思議ですね。


⑥ 最後の発酵を終えると無事に完成です!


完成したら冷蔵庫で保存。なるべく早めに使い切りたいところですが、冷蔵庫で1−2週間ほど保存しています。

 

家庭で作る「米麹」は量も限られているので、甘酒、醤油麹、塩麹など少量でもアレンジしやすいものに活用をしています。米麹が違うとそれぞれ出来上がりの味も全く異なるのでとっても面白いですよ。一番分かりやすいのは「甘酒」。いつだったか、全然甘くない甘酒が出来上がり凹んだこともありました。

こちらは我が家の「甘酒」。飲むのも良いですがヨーグルトのように食べることが多いです。


こちらは塩麹と醤油麹。塩麹はできあがったものに軽くブレンダーをかけて滑らかにしてあります。醤油麹は粒がしっかり残っています。
炒め物や煮物、グリル前の下味用、スープ、ドレッシング作りなどなどに。活用方法はとってもたくさん!本当に重宝しています。


野菜もお米もそうですが、米麹も時間と共にじわじわと育っていく感じが何とも愛おしいのです。
そして菌や発酵の世界はやっぱり不思議で奥深い!菌の種類とえさ(米、大豆、小麦など)の違いによっていろんなものが生み出せる。普段目に見えない菌たちが働き、美味しいものへと変化していく。これってすごいことじゃないですか?醤油や味噌、(法律上家庭では作れないけど)お酒やみりんもそう。
菌がいてくれれば、調味料も自給できちゃう!!という面白さが中里家のモチベーションです。米、大豆、小麦作りが大変なんですけどね....笑。

毎日の食を、そして暮らしを作っていく、まさに「クラシコサエル」!

 

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