連載:折々の一皿
クラシライター:早織さんより、旬を取り入れた、和の要素を感じられる自宅でのお料理やおもてなしについてお届けします。
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今年も残すところあとわずかとなりました。
12月に入ると「またこの季節がやってきた」と途端に気が引き締まります。
頭の中はクリスマスを飛び越えてお正月のお料理のことでいっぱいに。年迎えの準備はお節料理の材料を揃えることから様々ありますが、我が家はからすみ作りから始まります。
今回の一皿は自家製からすみです。
【レシピ】自家製からすみ
からすみの仕込みは血抜き、塩漬け、塩抜き、干しと文字に表すととても単純な工程です。丁寧な仕込みを済ませると、あとは時間と凍てつく寒風が美味しく仕上げてくれます。
*材料*
・ぼらこ サイズや金額など様々です。地域によってはなかなか見つけられないところもあるのでお魚屋さんに問い合わせてみてください。
・塩 たっぷり使います。どのような塩でも出来ますが、我が家は天日塩を使います。
・酒 25%以上の焼酎を使います。
・氷水 ・干しかご ・スプレーボトル ・バット ・重石
*作り方*
1.血抜き(3-4日) ぼらこを裏返したら血管が見えるので、針を使い血管に血が抜けていくための穴を開ける。針で血管をなぞり、血を抜く。
2. ある程度、針で血抜きを済ませたら、氷水に漬け一晩冷蔵庫に保管する。
3. 血が抜けていることを確認。 すごく状態の良いものはこれだけで血抜きを完了することも出来るが、血が臭みの原因となるのでさらに血を抜いていく。
4. バットの上にメッシュのバットを重ね、ぼらこを置き、その上にさらにバットを重ね重石をする。このまま冷蔵庫の中で数時間保管する。
5. 血が出ていることを確認したら、2と同じ状態で氷水に漬けさらに一晩置く。 重石をして氷水に漬けるのを数度繰り返すことで出る血が減り、色が薄くなっていく。
6. 状態を見て血抜きを終わらせる。
7. 塩漬け(5-7日) バットに塩を敷き、ぼらこを置いて上からもたっぷりの塩で覆い冷蔵庫で保管する。ある程度水分が出たら、水分を捨て適宜塩を追加する。
8. 水分があまり出なくなるまで、様子を見ながら水分を捨てることと塩を追加することを繰り返す。 塩が全て溶けたり水分をしっかり吸ってしまったら、一旦塩を除き新しい塩に取り替える。
9. 水分が出なくなり、色が濃く固くなれば塩漬けは完了。
10. 塩抜き(7日) 氷水に浸けて1日冷蔵庫に保管。
11. 破れないよう注意しながら芯の硬さを触って確認し、中心に少し芯が残るくらいの硬さになれば酒に漬け再び冷蔵庫に保管。時々様子を見ながら数日そのまま漬けておく。
12. 干し 焼酎から上げて、干しかごに入れて天日干しにする。 最初はくっつきやすいので破れるのを防ぐためそのまま干しかごに入れるのではなく、ガーゼやさらしなどを敷く。
カビを防止するためスプレーボトルに焼酎を入れ、毎朝吹きかけてから干す。間も乾くようしっかり広げて置き、1日に1,2回表裏をひっくり返す。
日中は外で干し、夜間は冷蔵庫の中で保管する。 数日経ち、少し表面が乾いてきたら形を整えるため冷蔵庫に保管する際に重石をする。
13. 食べ方に合わせて、お好みの硬さになるまで干して出来上がり。
すぐに食べる場合は皮を剥いてそのまま食べられます。すぐに食べない場合は真空パックやラップに包んでフリーザーバッグに入れ冷蔵庫で保存する。
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冷凍庫でしばらく寝かせてまろやかになったからすみもまた美味しいので、作られる方はぜひ試してみてください。しばらく寝かせる場合は削って食べられるくらいの硬さになるまでしっかり干してください。
からすみ大根にしたり、お蕎麦やパスタにしたり、甘いお餅に包んだり、お餅に包んで揚げたり焼いたり、様々な楽しみ方ができるからすみ。
手間と時間はかかりますが、自分で作るとお好きなお酒でお好きな硬さに仕上げることができます。塩やお酒の種類、塩漬け期間、干し具合などを調整して理想のからすみを作ってみてください。
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12月の暮らしや行事を楽しむアイデアや旬の食べ物に関すること(レシピ付き記事も)、1月の準備などの記事をお楽しみください♪
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連載:折々の一皿
香川県出身、二児の母。英国での一人暮らしを経て改めて和食の魅力を実感。旬を取り入れた、和の要素を感じられる自宅でのお料理やおもてなしについて綴っていきます。