連載:ファブリック考
布製品のオーダーメイドブランドmitsuamiを持つクラシライター:kaeさんより、季節の生地、世界の手芸事情や、身近な布切れの活用法などをお届けします。
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スーパーの袋や紙袋、いろいろな「使い捨て袋」の形のまま、布に落とし込めたら楽しいな、という思いつきからスタートする、【リユーザブルバッグ考】。
「使い捨て袋」を考察し、布で作ってみる、という試みです。
第1回目の今回は、紙袋です。
昔から紙袋ってなんとなく好きで、とくに茶色い紙袋の匂いや質感が好きです。底が安定するので、お弁当やケーキ類など、横に倒したくないものを持ち運ぶのに役立つので、ついつい状態の良い紙袋は貯め込んでしまいます。
紙袋をストックしている引き出しがパンパンになってきたので、一旦整理をしなければ、と取り出した様々な大きさの紙袋。
中でも気になったのがワイン専用の長細い紙袋でした。今回はこちらを考察しながら布に落とし込みたいと思います。
まずはこの紙袋を解体してみます。
ヒモを外して、のり付けされた部分をゆっくり剥がし解体すると、
持ち手(ヒモ)、本体、底板、持ち手補強部×2
というパーツに分かれることが判明。
持ち手や底には補強用の厚みのある紙が挟まっています。使用時にどこに重さが加わっているのかが分かりますね。
サイズを測ってみるとこんな感じ。
これを元に布バージョンを作ってみようと思います!
リユーザブルワインバッグの作り方
材料
・麻の布 46×42.5cmを1枚 ・ヒモ 5-60cmを2本 ・ハトメ 4つ (無ければヒモは縫い付けても良い) ・フェイクレザー 3×11.5cmを2枚
※今回は紙袋の手軽さを出すために、布の端処理をしていません。気になる方は布端にロックミシンをかけたり、縫い代をつけたりして工夫してみてくださいね。
作り方
①解体したワイン袋サイズにカットした麻布に、解体して測った紙袋の通りに折り目をつける。
上辺を4cm、下辺を5.5cmの山折りにしてから、縦線を端から8cm、12cm、8cm、12cm、2.5cmの順で折り目をつける。
②底部分にも、紙袋をよく見て同じように折り目をつける。
③紐通し部分に印を付けておく。
④筒状にします。2.5cmに折った辺が下になるように合わせて縫い合わせます。
∟布端のモシャモシャが可愛いので活かすことに。 ステッチは2本かけて補強しています。
⑤底部分をアイロン線通りに折りたたみ、まち針で留め、ゆっくりミシンで縫い合わせていきます。
∟底が内側に来るようにセットすると縫いやすいです。
⑥底が出来て、紙袋らしい形になりました。
⑦上部分に付けた印に穴をあけ、ハトメを打ち、ヒモ通しの穴をつくります。
ハトメ部分には補強としてフェイクレザーを挟みました。このレザー部分を見せたくなければ、口部分の布で挟むように中に入れてしまってもいいです。
⑧ヒモを通します。
∟外側から内側へ通しました。
⑨ヒモが外れないよう結んだら、ヒモ先を解いてふわふわにします。
⑩全体にアイロンをかけて整えたら完成。
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ワインの持ち運びはもちろん、お花を数本買った時なんかにも活躍してくれそう。
また、トイレットペーパーが縦に3つ入ることが判明したので、こんなふうに口を閉じてストックを入れておくのにも良いかもしれません。
紙袋型のリユーザブルバッグ…、無限の可能性を感じます!
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洋裁好きの母と、DIYが趣味の父の影響で、幼少期からモノづくりが好き。産後からは子供服作りに没頭。2019年から、入園入学グッズやエプロンなどのオーダーメイドブランドmitsuamiをスタート。現在はマレーシア在住。趣味は洋裁、海外旅行、布やリボンなどの資材集め、異国料理を食べること。季節の生地、世界の手芸事情や、身近な布切れの活用法などをご紹介します。