キッチンで読む美味しい物語 No.2「やわらかなレタス」
連載:四角いおうちの暮らしごと日記。
クラシライター:川上琴美さんの衣食住、好きなものに囲まれた日々の暮らしをお届けします。
食欲の秋と読書の秋。
毎年秋になると必ずこの2つのワードが頭をめぐり、今年の秋も食と読書を思いのままに楽しむぞー!と心に決めております。
(↑読んでいる最中の本はキッチンにあるお盆の上に積み重なっていき、その日の気分でちょこちょこと読み進めていくスタイルが定着しつつあります。)
今回はこの秋最初に読んだ一冊をご紹介。
またまた美味しそ〜が止まらないとっても愛らしいフードエッセイに出会いました。
「やわらかなレタス」江國香織著 文春文庫
江國香織さんの暮らしの視点がとても面白くて心地いい一冊です。
言葉選びはクスッと笑える表現ばかりで、居心地のいいお友達と一緒に会話をしているような感覚で読み進められます。
大雪の中で駆け込んだスターバックスでのドーナツとコーヒーの話や、スーパーで見つけた「至福の一杯」と書かれたカップ麺のお話などなど。
旅先やその時々の食べ物の記憶や過ごした時間の一つ一つが丁寧に描かれており、こんな風に切り取って表現するなんて、もう大好き!!と心の中で叫んだほどでした。笑
文章が優しくてほっこりするうえに、短編集なので隙間時間のお供にさらっと読め、この先何度も何度も読み返したくなるような気がしています。
お腹がグーグー鳴り出しそうなのを堪えながらも、頭の中で味を想像してみる時間もなんとも楽しい時間です。
そしてやっぱり美味しそうな本を読むと衝動的にキッチンに立ちたくなるのはいつもの事。
「昭和のお砂糖」というお話の中に出てくるさくらんぼのクラフティにつられて私はチェリーパイを焼き、やわやわに煮えたさくらんぼの果肉を堪能したのでした。
焼いたチェリーパイを頬張りながら、また次の本を読み進めています。
甘いものと本、この関係性も最高です。
つくづく食を文章で味わうって楽しいな〜と改めて感じています。
秋になるといつも以上に増す読書欲。
なかなか自分の時間をつくる事って難しいですが、キッチンで一息、ちまちまと読み進める読書の時間が私のささやかな幸せ時間となっています。
みなさんはどんな秋を過ごしていますか?
ぜひInstagramにて合言葉「#暖色日記」を付けて教えてくださいね。
合言葉による皆様の投稿を毎月楽しみにしております。
クラシライター:川上琴美の |