必要なものを自分でつくる

2023.07.09
nijisuzume

連載:シチシチムジクイ 島の暮らし
西表島在住のクラシライター:nijisuzumeさんより、自然の移り変わりや植物のサイクルに合わせたものづくり〈シチシチムジクイ〉をお届けします。

みなさま 初めまして。
八重山諸島の 西表島という島に暮らす
nijisuzumeと申します。


島には何にもありません。

コンビニも 図書館も 八百屋も
ショッピングモールも 本屋も ありません。
けれども 歩いてすぐのところに
白い砂浜の青い海があり
マングローブ林が広がり
ゆったりと川が流れ
鬱蒼とした森に亜熱帯植物が繁り
様々な動植物に溢れています。

島には何でもあるのです。

 


そんなこの島で 島のおじいやおばあは
衣・食・住 の必要なものは みな
自分たちの手で作って暮らしてきました。
イモや米や野菜などの食べ物や
カゴやザルや箒などの暮らしまわりの道具
履物や着物や祭の衣装 田小屋や家までも。

そんな風に暮らしてきた 
島のおじいやおばあから 私は
たくさんのことを教えてもらいました。

 


山から 海から 自然の恵みをいただく時には
この生命決して無駄にしませんと
必ず手を合わせてからいただくこと。

人の都合ではなく 自然のサイクルに合わせた
その季節その時期ごとの ものづくり。
シチシチムジクイ (節々物作り)をすること。
などなど。

そういった おじいやおばあから
教わってきた知恵や手技を
現代の暮らしに合うように変化させながら
暮らしまわりのいろいろなものを
作りながら 日々暮らしています。

少しずつ それらについて
綴ってゆけたら 伝えてゆけたら
そう願っています。

 


着古したシャツやブラウスを
ハンカチに仕立て直す

湿度が高く暑い西表島では
リネンや綿麻などの植物から作られた
天然素材の服が肌に心地よいです。

それゆえ 自然と化繊素材を避け
身につけるのは 天然素材の服が多くなります。

着古して着なくなった
リネンや綿麻生地のシャツやブラウスは 
程よくこなれて柔らかです。

それらの生地を
ハンカチに仕立て直します。

◻︎布地を23×23cm程度の大きさにカットする。
◻︎周囲を5ミリ幅に三つ折りして縫う。
◻︎吸水性に富んだ柔らかなミニハンカチの
 できあがり。

ちなみにハンカチを入れているカゴも
月桃という植物を編んで作ったものです
それについても 今度綴りますね。

 

少し昔の時代 着古した着物は
ほどいて仕立て直し
最後 雑巾になるまで大切に生かし切りました。

今も同じように
まだ生かせるものを生かしつつ
必要なものは自分の手で
作りながら暮らしていきたいと思っています。





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