空豆の胡麻豆腐
連載:折々の一皿
クラシライター:早織さんより、旬を取り入れた、和の要素を感じられる自宅でのお料理やおもてなしについてお届けします。
「手間のかかる料理」
と聞いて思い浮かぶことは何でしょう。
材料の選別に調理道具の手入れ、丁寧な下拵え、多くの工程、器の選定、美しい盛り付け。そしてそれらの手間をかけるために時間と心の余裕を作ること。
自分で手間をかけて作らなくても美味しいものが食べられる昨今、手間をかける理由は人それぞれだと思います。
私にとって丁寧に作られた料理は心の栄養になり、作る時間は気持ちを穏やかにしてくれます。そしてそれぞれの一手間には理由があり、省くことは出来ても無駄なものは無いと考えています。
今回はまさに手間のかかる一皿、空豆の胡麻豆腐です。
*材料* (16cm×16cmの流し缶) みがき胡麻:300g 昆布出汁:1L 日本酒:180ml 塩:6g 本葛粉:100g 空豆:15莢程 *作り方* 1. みがき胡麻をたっぷりの水に一晩浸け、空気に触れて香りを損なわないよう落としラップをしておく。 2. ざるにあげ水気を切り、摺鉢に移す。 丁寧に摺り、濃い胡麻乳を作りたいので時間がかかります。ミキサーやフードプロセッサーでも可能ですが、潰し過ぎるとえぐみが出るので気をつけてください。 3. 昆布出汁を入れ、混ぜ合わせるようにさらに摺る。 4. ボウルに乗せた晒しにあげ、きつく絞る。 5. 4を少し取り出し葛粉を全て溶かし、また戻す。 6. 莢から出した空豆をゆがき、冷水に取る。 その後、摺鉢で摺る。 7. 5と6を合わせ、鍋に濾して移す。 8. 強めの中火にかけて焦げないよう混ぜ、少し重くなってきたら中火に落として混ぜ続ける。 9. 濃度が上がり重くなってきたら、細かく混ぜ続け、最後は練るように仕上げる。 木べらで持ち上げた時にぼたっと落ちるようになれば練り終わりです。 10. 流し缶に流し入れ、隅まで行き渡らせ、表面にラップを貼る。 バットに氷水を張り、その中に入れ冷やし固める。 11. 冷めたら流し缶から取り出し完成! 醤油と山葵や味噌ダレなどをかけていただきます。今回は醤油のジュレと山葵葉を合わせました。 |
季節ごとに旬のものと合わせ、様々な味を楽しむことができる胡麻豆腐。夏にはとうもろこし、秋には銀杏、冬には柚子なども美味しそうですね。
桜の時期には桜リキュールと桜葉で桜胡麻豆腐にしました。
えぐみが無く胡麻の濃厚さが感じられ、市販のものとはまた違う味わいです。是非作ってみてください。